プレイドは、優れた顧客体験を設計・実現できたサービスやプロダクトを表彰する「CX AWARD 2025」を発表した。

CX AWARD 2025は、プレイド内の研究組織であるプレイド顧客体験研究所のメンバーとXD編集部による選考会議によって、2025年のCXを象徴する9の取り組みが選出されている。
CX AWARD 2025 受賞事例
- 「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」|株式会社ポケモン
- TOYOTA ARENA TOKYO|トヨタアルバルク東京株式会社
- ジハンピ|サントリービバレッジソリューション株式会社
- 「写ルンです+」|富士フイルム株式会社
- ニンテンドーミュージアム|任天堂株式会社
- ぬい活
- BRUTUS mapzine|株式会社whitemap|株式会社マガジンハウス
- SOXAI RING(ソクサイ リング)|株式会社SOXAI
- タイムアウトマーケット大阪|株式会社タイムアウトマーケット大阪
プレイド顧客体験研究所による総評
本年のCX AWARDの選考では、顧客の「愛着の深さと、手間からの解放」という現代の強い欲求に対し、サービスが「体験の広がり」と「無意識なウェルビーイング」という2つの方向で応えた事例に注目した。
1.リアルな場の体験価値を革新
昨年は長崎スタジアムシティ、小杉湯原宿、グラングリーン大阪など、地域の場やコミュニティ形成の価値に注目しましたが、本年もいくつかの「場」の体験価値に対するアプローチに注目した。
TOYOTA ARENA TOKYOは、ビジョンや音響・照明演出によって観客に圧倒的な没入体験を提供する「未来志向の場の革新」を体現。一方で、ニンテンドーミュージアムはハイテクに頼らず、「任天堂の娯楽の歴史を知る・体験できる」を軸に、過去の製品に「触れて遊べる」展示で世代を超えたコミュニケーションを創出している。
タイムアウトマーケット大阪は、シティガイド"Time Out"の地元編集者が厳選した名店が集結した場所。「関西の最高の食と文化を楽しめる」という、新しい社交体験を提供するフードマーケットとしてのあり方は、メディアのキュレーション力を「場」に持ち込む非常にユニークな試みとなる。
2.個人の愛着と感性に深く訴えかける体験の進化
個人の愛着や感性に深く訴えかけるサービスも進化を遂げた。ぬい活は、推し活という文脈を超えて、「自己の愛情やアイデンティティを投影するパートナー」としての地位を確立。この活動がSNSを通じて共有されることで、個人消費から派生する新しいコミュニティ形成と精神的な充足に直結する体験として広がった。
また、写ルンです+がアナログな「現像を待つワクワク感」という情緒的な価値を高め、Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)が紙の「収集・開封の喜び」をデジタルで極限まで再現するなど、デジタルを活用して情緒的な価値を生み出す取り組みはいつの時代も顧客の心をつかむ上で重要な視点であることを示している。
雑誌編集の視点を取り込んだBRUTUS mapzineも同様。検索中心の情報消費ではなく、「編集者の偏愛と価値観が詰まった場所」との出会いを地図上で提供することで、「都市の発見」という体験をよりパーソナルで情緒的なものに変えた。
3.無意識なウェルビーイングを提供するサービスの定着
ジハンピは、高価なキャッシュレス端末を不要とし、決済処理の負荷をクラウドとスマホ側で担うという革新的な構造を採用。これにより、自販機のキャッシュレス化に伴うコストを大幅に下げ、結果として全国の既存自販機を広範囲にキャッシュレス化する基盤を構築した。ユーザーは意識せずにキャッシュレス決済できる自販機が増えることで、日々の「買う」という行動のストレスが大きく軽減される。
SOXAI RINGは日本製の強みを生かし、指輪という装着ストレスの極限的な軽減を実現することで、健康管理を「煩わしさ」から解放。これらのサービスは顧客が「努力している」という意識を持つことなくウェルビーイングを享受できる「無意識なウェルビーイング」を提供し、顧客の体験価値を向上している。
【関連記事】
・プレイド、「KARTE AI」を発表 AIと人の協働によるCX基盤強化へ
・プレイドとトリドールHD、丸亀製麺全店舗向け「ハピカンダッシュボード」を共同開発
・auじぶん銀行、RightTouchが提供する「RightVoC by KARTE」を全社導入
