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INNOSIGHT社COOが語る新事業の“不確実性とリスク”

イノサイト社COO ケビン・ボーレン/来日講演レポート:第3回

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 3回にわたり、イノサイト社COO、ケビン・ボーレン氏初来日セミナーレポートをお届けした。レポートの最後に、ケビン・ボーレン氏に対する受講者からの質疑応答のなかから、筆者が注目した内容を以下に紹介しまとめとしたい。

セミナーでの受講者との質疑応答から

-イノサイト社が企業のイノベーションを支援する際に必ずチェックする共通の指標はあるか。

 学習効率を確認する。基礎研究などは必ずしも早くできるとは限らないが、必要な期間の予測はすべきだ。6ヶ月と予測した期間に実際は7ヶ月かかってもよいだろうが、18ヶ月になれば費用も3倍になり、効率的とは言えない。このような場合は、チームをもう少し早く動けるようにできるスタッフをチームに入れるなどしたほうがよい。

 たとえば、自動車業界なら「新製品を出すサイクルが他社は1年半、自社は3年なのはなぜか」、製薬業界なら「初期投資段階から実際に製品化に至る割合が他社は15%、自社が3%なのはなぜか」などをベンチマークとして考えてみる。

 組織内の何が開発スピードを遅らせているのか。アイデアの数が不足しているのか。数は十分だが選択に時間がかかりすぎているのか。選択は正しいが、開発からリリースまでの期間が他社の3倍なのか。他社より長く時間をかけることで、自社製品の質はその分よくなっているだろうか。このように問うて、開発パイプラインの問題箇所を診断し、修正する必要がある。

-経営陣から“失敗”と判断され打ち切りになった新規事業と同様の事業を、数年後に他社が成功させてしまい悔しい思いをした。事業の失敗を判定する基準はあるか。

 残念ながらその基準はないが、顧客のニーズが明らかに存在し、開発中のソリューションがそのニーズに応えるものであれば、その有効性は必ず何らかのかたちで顧客によって確認されるはずだ。あとは、自分のアイデアを信じ続けること。途中でうまくいかなくなったら、完全にあきらめるのではなく「しばらく冷蔵庫に入れておく」という手もある

 自社で失敗した事業を他社が成功させた場合には、彼らのビジネスモデルではなぜうまくいったのかを分析する。差を生み出したのは、開発資金か、営業部隊の規模か、ブランド力なのか。あるいは、顧客との関係づくりやアイデアの優先順位の置き方だったのかなどを検討するとよいだろう。

ケビン氏とINDEE Japan経営陣写真 ケビン氏とINDEE Japan経営陣

イノサイト社のパートナー企業、INDEE Japan

今回セミナーを主催したINDEE Japanは、イノサイト社とパートナーシップ提携をしているコンサルティング企業。イノベーションコンサルティング、新規事業支援、人材育成などのサービスを提供しており、バイオサイエンス、クリーンエネルギー、輸送機、半導体製造装置の業界をはじめ、豊富な実績を持つ。
INDEE Japan

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