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中計から紐解く「決算分析」入門

なぜ中計でROICを重視する企業が増えたのか──森永製菓のIR資料から読み解く、企業分析の本質

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目指すべき企業価値向上のためのROIC経営

 2014年に経済産業省による伊藤レポートが発行され、国内の上場企業はROE8%以上を目指すようになってきています。あれから12年が経ち、ROE経営は多くの企業に浸透してきました。その一方で、ROE経営の場合、実務に落とし込むことが難しかったり、財務レバレッジだけでもROEを上げることができたりするという課題がありました。

 そのような中、今回取り上げた森永製菓や前回取り上げた明治ホールディングスのように、日本企業においてROIC経営を活用する企業が増えてきています。ROICは、ROEとは異なり財務レバレッジで上げることはできません。また、実務に落とし込めるというメリットもあります。ただし、「計算がやや複雑」「必ずしもわかりやすい概念ではない」といった課題もあります。

 「ROICは難しい」という声が一部である中でも、今後ROIC経営が導入される企業がますます増えていくと筆者は考えます。なぜならば、以下の図のように、企業価値はROICと売上高成長率から決まってくるキャッシュフローと資本コストによって決まるというのがファイナンスのセオリーだからです。

画像を説明するテキストなくても可
図表出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー『企業価値評価 第7版[上] バリュエーションの理論と実践』(ダイヤモンド社、2022)/クリックすると拡大します

 つまり、ROIC経営は企業価値を上げる観点においても非常に重要だということです。今後、中期経営計画でROICという指標を目にしたとき、「なぜこの会社はこの水準を掲げているのか」「その水準を達成するために、どの事業をどう改善しようとしているのか」という問いを立ててみてください。

 そうすることで、ROICは単なる財務指標ではなく、企業の戦略を読み解くための地図となり、企業分析力を向上する最初の一歩になるはずです。

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この記事の著者

村上 茂久(ムラカミ シゲヒサ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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