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「二度と説明に来るな」に込められた真意──JR東日本に学ぶ、外部連携を成功させる出島戦略【書籍抜粋】

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 大企業が多様な外部パートナーと組んで革新を起こす「オープンイノベーション」。しかし、時間軸も文化も異なるスタートアップ企業は、大企業にとって時に「エイリアン」のような存在であり、大企業の論理だけではすれ違いやハレーションが起きがちです。そんな内と外をつなぐ「窓口」として、完全な別組織(CVC:コーポレート・ベンチャーキャピタル)を立ち上げて成功を収めているのがJR東日本スタートアップです。「新幹線で鮮魚を運ぶ」といった未だかつてないサービスを生んだ背景には、どんな出島戦略があったのでしょうか。書籍『出島組織というやり方 はみ出して、新しい価値を生む』(翔泳社)から、挑戦を支えるトップマネジメントのあり方と、現場の熱い試行錯誤の軌跡を紐解きます。

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 本記事は『出島組織というやり方 はみ出して、新しい価値を生む』(著者:倉成 英俊、鳥巣 智行、中村 直史)の「3 外部連携タイプ JR東日本スタートアップ」から抜粋したものです。掲載にあたって編集しています。

橋渡し役としてのコーポレート・ベンチャーキャピタル

 多様な外部パートナーと組んで新しいものを生むオープンイノベーションの必要性がますます高まる中、本家出島と同じように、外との連結機能を果たしている出島組織が多数存在する。

 その代表事例として、JR東日本スタートアップにお話を伺った。

 内と外をつなぐために、どんな橋の架け方をしているのだろうか。

話し手

柴田裕

JR東日本スタートアップ 代表取締役社長

聞き手

倉成英俊

出島組織サミット実行委員会副会長 株式会社Creative Project Base 代表取締役

──事前のメールでは、全然普通のオフィスです、とおっしゃってたんですけど、全くの謙遜でしたね。ビル入口からすでにめちゃくちゃオシャレじゃないですか! 2FがPlayGround、4FはPlayListとか書いてあって。総務課とか人事とかじゃなく。楽しそうな感じになってて。

柴田 いらっしゃいませ。基本的には出島なので、あんまり組織みたいなのは入ってないんですよ。うちとスタートアップ企業が入ってるのと、あとはサテライトオフィスになってるんで、いないです、総務課とか。PlayGroundは、自由に使っていいイベントスペースみたいな感じで、それ以外は大体サテライトオフィスやシェアオフィス。

──あとエレベータ前には、楽しくやれよ、みたいなビジョンが横文字でオシャレに書いてあって、いろんな人が来たくなりそうな感じ満載ですね。では組織のご紹介をお願いします。

柴田 はい。JR東日本スタートアップは、2018年にできたJR東日本が100%出資するコーポレート・ベンチャーキャピタル(以下CVC)でして、JR東日本グループとスタートアップ企業をつなぐために作った組織体です。

 自称、事業を作るCVCと言っていまして。ベンチャーキャピタルは普通、出資が大きな柱ですけど、僕らは事業を作る方に注力しています。スタートアップ企業って、JRからしてみるとエイリアンなんですね。そことJR東日本をつなぐには橋渡し役がいる。その役割をしているのが僕らの会社です。

──橋渡しのための出島組織は、どういう風に外に出ているんですか?

柴田 紙芝居を作ったんで、それで説明していいですか?

──ぜひぜひ。

柴田 うちの本土であるJR東日本はでっかいですから。社員5万人とかの中で、最初3人で、離れたところに、出島を、もうポツンとちっちゃく(図1)。スタートアップ企業向けに、勝手にここの出島だけ「開国」したんですね。

 そこで僕らは、アクセラレーション・プログラムを始めた。JRが持ってる駅とか、駅ナカ、駅ビル、ホテルとか使って一緒に何かやりたい「新しい企業ありませんか~」って。

 そうすると、いっぱい船がやってくるようになって。意外と本土の中で一部、おもしろいって関心を持ってくれたので、その辺から新しい事業を作っていきました(図2)。それで、調子に乗って、いざでっかいお城がある本丸に突入したら……、もう完全にこれが炎上してですね。撃沈しました(図3)。

 ただし、本丸の脇っちょ側が、意外に関心を持ってくれるようになって、その周辺から仲間にしていこうかな、みたいなフェーズになり(図4)。

──順調そうに見えて、試行錯誤の歴史あり、なんですね。これ、現在を表す図4では、出島が長崎以外にも、横浜とか神戸とかにも、橋がかかってるような感じですか?

柴田 そうですね。橋がかかってるのは、鉄道の本丸の運行部門とかじゃなくて、特にJR東日本グループの中でも商業系が多いですね。駅ナカとか、駅ビルとかって、他にライバルがいて競争があるんで、独自性作りたいわけですよ。あとは、グループ会社とか子会社。実際に実務やってて、人手不足とかでどんどん新たなテクノロジーを取り入れないと死活問題なので。

JR東日本スタートアップ
スケッチ帳に柴田さんが手描きされた、JR東日本スタートアップの出島組織の変遷。(図1左上、図2右上、図3左下、図4右下)。
出島組織というやり方 はみ出して、新しい価値を生む

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出島組織というやり方 はみ出して、新しい価値を生む

著:倉成 英俊、著:鳥巣 智行、著:中村 直史
発売日:2024年02月21日(水)
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)

本書について

ハウス食品、JR東日本スタートアップ、ONE、みんなの銀行、東京都庁、北海道大学、パーソルキャリアなど出島組織の成果を本体組織へうまく還元した20のチームが教える日本初の変革のヒント集です。

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この記事の著者

大久保 遥(Biz/Zine編集部)(オオクボ ハルカ)

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