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ポテック、262社掲載のヘルスケアカオスマップ2025年版と特設サイト公開

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 ポテックは「ヘルスケアカオスマップ2025年版」とその特設サイトを公開した。今回のカオスマップには、設立10年以内のヘルスケアベンチャー262社と、56の事業カテゴリーが掲載されている。ヘルスケア分野で新規事業や戦略投資を検討する経営企画部門にとって、市場の全体像や新興企業の動向を把握するための資料として有用な内容となっている。

ヘルスケアカオスマップ2025年版

 マップ作成にあたって、ポテックは2025年のヘルスケアベンチャー市場の主要トレンドも分析している。特に、AI活用市場の拡大が顕著となっており、医療現場における診療情報の音声書き起こしやカルテ・報告書の自動作成といった領域で、Ubieやmedimo、Voice Chart、Kanavoなどの製品普及が進んでいる。今後、こうしたAI技術の導入が医療現場の人手不足にどのように寄与するかが議論の焦点となる見通しである。

 また、リカバリーウェア市場も拡大傾向が続いている。従来注目されてきたスリープテックやメンタルヘルス分野は成長が鈍化したものの、TENTIALの「bakune」シリーズやエムスリーとソニーグループの「サプリム」など、リカバリー市場自体は多様な消費者ニーズに支えられて拡大してきた。今後も成長が見込まれる分野である。

 企業向け健康経営市場は、産業医派遣や従業員管理SaaSツール、メンタルヘルスサポートなどを中心に、新規参入が活発な状況が続く。参入が相次ぐ背景には、市場がBtoBで安定していること、既存サービスの質のばらつき、そして投資余力のある企業が多いことが挙げられる。健康経営分野の上場企業も増え、さらなる市場拡大が期待される。

 一方、2015年~2020年に盛り上がった治療用アプリ市場への参入は、近年下火となっている。市場規模やソリューションの限界が明らかとなり、参入企業が減少傾向にある。

 オンライン診療市場では、2018年の解禁以降、自由診療(AGAやピル処方)を中心に新サービスが広がり、近年は診療科や疾患に特化したオンライン診療サービスの新設が加速している。患者の経験値や医療機関側の収益性確保が影響した結果である。

 また、上場が可能な調剤薬局と訪問看護事業の拡大と買収(ロールアップ)も増えている。医療法人では難しい上場も、これらの事業形態で新たな展開が進んでいる。

 ベンチャーキャピタルからの資金調達は全体的に減少し、調達の手法や選択も変化しつつある。引き続き多くの企業が市場機会を模索しているが、資金だけでなく経営形態や事業内容の多様化も今後のポイントとなる。

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