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キリンビール、全9工場に新ピッキングシステム導入 物流効率化とCO2削減を実現

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 2025年12月16日、キリンビールとキリングループロジスティクス、NTTデータは、共同で開発した新たなピッキングシステムが2025年7月よりキリンビール国内全9工場で稼働を開始したことを発表した。本システムは、パレットへの最適な積み付け指示や人員の割り当てを自動で行い、物流現場での業務効率向上を目的としている。

 近年、「物流2024年問題」によりトラックドライバー不足が深刻化するなか、トラックを待たせないことによる運行生産性の向上が求められていた。加えて商品の多様化が進み、ピッキング品目が増えたことで、パレット枚数や荷合わせ作業の増加、結果としてドライバーの荷待ち時間の増加が新たな課題となっていた。

 今回のシステム導入により、以下のような効果が期待されている。

 まず、最適な商品組み合わせでパレットへの積み付け指示が可能となる。倉庫管理システム(WMS)と連携し、独自ロジックを活用することで、サイズが異なる多種多様な商品の効率的なパレット積載が実現される。また、作業難易度や作業員の熟練度に応じた自動指示機能を備え、人員の適正配置とロボット指示の両方に対応するため、現場全体の作業効率が大幅に向上する。

 実際、2025年7月から9月までの3カ月間で、本システム導入を含む取り組みにより、トラックドライバーの荷待ち時間を合計約1万時間削減した。最適化された積み付けによって必要なパレット数が減少し、その分トラックへの積み込みや荷合わせ作業時間が短縮されたことが背景にある。また、年間のパレット使用枚数は約9万枚減少する見込みであり、2026年にはパレットの購入枚数を約3万枚抑えられるとされている。

 環境負荷の軽減も重要な成果である。パレット使用削減により配送時のトラック台数が減少し、燃料やCO2排出量削減につながる。さらに、パレット生産時に発生するCO2についても、購入を抑制することで削減効果が見込まれる。

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 今後、キリンビールとキリングループロジスティクスは、本システムとWMS、車両運行、構内作業のさらなる連携・連動を強化し、リアルタイムでの状況把握や現場作業全体の効率化を図る方針である。NTTデータは生成AIやデジタルツイン、フィジカルAI等の活用も進め、持続可能なサプライチェーンの実現を目指すとしている。

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