三菱重工業は2025年10月17日、統合レポート「MHI REPORT 2025」を発行したことを発表した。本レポートは、同年4月に就任した伊藤栄作CEOの掲げる経営方針「ITO」(Innovative Total Optimization)や、グループの現状と将来の方向性についてまとめている。

レポートは従来の縦型からA4横型に刷新され、パソコン画面での閲覧性向上を図っている。冒頭の社長メッセージでは、伊藤CEOが「全体最適」と「領域拡大」を通じ、高利益体質と成長投資の循環を目指すという方針を示し、グループの持続的成長への決意を改めて強調した。
CFO・西尾浩氏は、資本市場からの期待に応えるための中長期的な財務戦略について言及。財務規律やリソース配分、ポートフォリオマネジメント等の観点から戦略の方向性を説明した。
特集1「成長領域の最前線」では、CSO・末松正之氏が2024事業計画に基づき、成長領域の戦略および新たに着手したデータセンター事業の取り組みや今後の事業拡大に向けた見解を紹介している。
特集2「技術基盤」では、CTO・大村友章氏が技術基盤の変革と、新技術の全社展開による長期的な成長の土台づくりについて述べた。さらに、シェアードテクノロジー部門の活動を通じた技術変革推進や、技術伝承の方針も解説している。
また、コーポレート・ガバナンス関連記事では、社外取締役3名による座談会を掲載し、ガバナンスシステムや経営の透明性強化について意見交換を行った。
三菱重工業は今後も多様な社会課題の解決に技術で貢献し、顧客・社会への価値提供と企業価値向上を目指す方針である。
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