4階層の人財育成と組織風土の醸成によるイノベーション創出
こうしたシステムや場所を動かすのは「人」である。清水建設では、イノベーションを牽引する人財の育成にも注力している。
「問題意識を持つ『シグナル人財』、事業アイデアを発案できる『事業アイデア創出人財』、ビジネスモデルを構築できる『ビジネスモデル構築人財』、そして新規事業全体を企画運営する『リーダー人財』と、4階層のピラミッドで人財育成を図り、それぞれに合った研修を展開しています」
その中核となるのが「NOVARE Boot Camp」だ。若手から現場の所長・部長クラス、さらには海外拠点のメンバーまで30名が混ざり合い、12日間にわたって顧客起点でのイノベーションアイデアの検討から事業化までを疑似体験する。
これに加え、社外関係者も招いて一緒に考える「Idea Owner’s Pitch」の毎月開催や、530名以上が参加するTeams上の社内コミュニティ「Golden Eggs」の運用、早稲田大学等との包括的連携協定による産学連携など、内向きにならずにイノベーション風土を醸成する仕掛けが幾重にも張り巡らされている。
50社のパートナーと挑む共創戦略
現在、NOVAREでは約50社のパートナー企業と連携しており、そのうち20社が入居している。出資先やCV起業者の製品をNOVARE内で展示して意見を集めたり、知財や新規事業に関する相談窓口を外部にも開放したりと、施設全体が共創のエコシステムとして機能し始めている。
中村氏は最後に、清水建設の共創戦略の全体像を改めて提示した。
社員のイノベーションマインドを刺激し、社内からハイリスク・ハイリターンの事業を育て(CV制度・Zテーマ)、同時に外部の知見(SHIMZ NEXT・CVC)を積極的に取り入れる。この3本柱の戦略が、同社の非建設事業と海外事業を牽引していく。
「様々なお客様、パートナーとの共創を通じて、当社のコーポレートメッセージである『子どもたちに誇れるしごとを。』を実現していきたいと思います。ご参加の皆様も、清水建設と共創してみたいということがありましたら、ぜひお声をかけてください」
ゼネコンの枠を超え、「スマートイノベーションカンパニー」への変革を強烈に推し進める清水建設。NOVAREから生まれる次なる社会実装の成果に、大きな期待が寄せられるセッションとなった。
