ポジティブアクションで景色を強制的に変える
根深い課題を前に、私たちはどう動くべきか。特効薬となるのは「意識が変わるのを待つ」のではなく、「ポジティブアクションで景色を強制的に変える」ことだ。登壇者の男女比4~5割を必達目標として取り組みを続けてきた田川氏は、「男性ばかりが並ぶ風景に『あれ? おかしいな』と違和感を覚えるようになった。比率を変えれば、意識は後からついてくる」と語る。
さらに組織の景色を変革するアプローチとして、武田氏は男性マジョリティ層への「逆マイノリティ体験」を提案した。自分以外がすべて女性という会議に男性1人で参加してもらうことで、マイノリティが抱える心理的ハードルへの理解を深められるというのだ。
地方の女性活躍からスタートアップ事情まで、リアルな悩みに答える
セッション終盤に行われた会場との質疑応答では、よりリアルな悩みが飛び交った。九州の建設会社で働く参加者から「地方かつ男性社会の中で女性が活躍できる環境をどう作るか」という問いが投げかけられると、綱川氏は次のように実践的なアドバイスを送った。
「地方にいてフルリモートで働けるお仕事は限定的です。フルリモートのポジションをいくつか作るだけで、優秀な女性が応募してくる可能性は劇的に増えます」(綱川氏)
また、起業準備中の女性からの「初期メンバーが男性ばかりで不安だ」という悩みには、「スタートアップの立ち上げ期はダイバーシティよりスピード優先で構わない、事業成長とともに多様性は自然と生まれてくる」と、綱川氏と武田氏が口を揃えた。
最後に、明日からイノベーションを進めていくためのアクションとして、綱川氏は「ダイバーシティはもはや“nice-to-have”ではなく、イノベーションを起こすための“マスト”な要素。自分とは違う存在と積極的に交流してほしい」とエールを送った。また根本氏も「自分を型にはめ込まず、役割や分類にとらわれずに素直に向き合うことが、分類にとらわれない社会につながる」と語り、セッションを締めくくった。
大企業からスタートアップ、行政まで、それぞれの立場で壁を打ち破ってきたリーダーたちの実践知は、これからの組織変革を担う参加者たちに大きな勇気と具体的なアクションのヒントを与えるセッションとなった。
