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“2つの統合”が鍵になる大学の未来 

エイミー・ガットマン学長/WGF東京2013レポートレポート第2回

[公開日]

[取材・構成] 小川 康 [編] BizZine編集部

[タグ] タレントマネジメント 競争戦略

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専門分野だけを学んではならない

 しかし、ここには極めて重要な逆説がある。「最も高い収入を得る職業に就く卒業生を輩出している大学では、専門分野だけを狭く学ぶことがないように学生を指導している」という逆説である。

 我々は、専門教育(professional education)というものは、リベラルアーツ(筆者注:歴史、美術、文学、基礎的な自然科学・社会科学等、幅広い視点を養うもの)を徹底的に学ぶことによって、豊かに力強く実を結ぶと深く信じている。

全ての学部を一つのキャンパスに持ち、リベラルアーツと専門教育を統合

 我々は、さまざまな専門分野の知識を、分野横断的にリベラルアーツと統合することに専念している。これが、総合大学としての、我々の成功の源泉である。世界最高のビジネススクールと、優れた教養学部・医学部と法学部、さらに8学部の全てを一つのキャンパスに持ち、学生と教授陣が学部をまたがって学び、協力して研究することを可能にしている。総合大学の学長として、このことを大いに誇りに思う。

 ペンシルバニア大学は、「リベラルアーツと専門教育を統合する」という哲学を初めて示し、実践した大学である。創立者のベンジャミン・フランクリンは、250年以上前にこのビジョンを示し、今日のペンシルバニア大学は、まさに彼のビジョンを実践しているのである。

世界中から優秀な学生を集める

 才能があり勤勉な若者に、大学で学ぶ機会を提供することは、その個人だけでなく社会全体にとって好ましいことである。特に中・低所得層出身の若者に、大学で学びやすくする必要性が高まっている。そのため、ペンシルバニア大学では、あらゆる学生に対する奨学金などの支援を、最も優先順位が高い取り組みの一つと位置付け、さらに強化していく方針である。

 この10年間でアメリカ以外の国からの学生が増加した。私は、ペンシルバニア大学にとって重要な取り組みとして、さらに国際化を進めたいと考えている。その一つが、Penn world scholars programである。

 このプログラムでは、世界中から最も優れた学生をペンシルバニア大学に集めるため、学費の全額を賄う返済不要の奨学金を提供している。彼らは驚くほど優秀な学生たちである。彼らは世界中から訪れ、やがて彼らの国にリーダーとして戻っていく。実に才能があり勤勉な、グローバルに活躍する市民である。

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