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“自前主義”型ビジネスモデルの崩壊―「ステークホルダーとの生態系」を可視化する

第8回:多様な利害関係者との間で交換される価値を描く

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 現代において、自社のみの閉じた世界で事業を行っている企業はほとんど存在しません。ビジネスモデルを上手く機能させるためには、パートナーをはじめとする多くの利害関係者との協働が必要不可欠です。今回は、これらの利害関係者との間で交換される価値やビジネスエコシステムを描くためのツールである「価値交換マップ」活用のTipsをご紹介しましょう。

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ステークホルダーの間で交換される価値を描写する

 「コラボレーション」や「オープンイノベーション」という新しい概念に象徴されるように、持続可能なイノベーションを実現するためには、自社のビジネスモデルを取り巻くエコシステムを構築することが重要となります。iPodやiPhoneのビジネスモデルには、多くのサプライヤー、アプリ開発者、音楽業界、通信業界の協力が必要です。Amazonのキンドル端末の成功は、豊富なコンテンツに依存しています。Teslaは、多くのハイテク技術を外部から採用するとともに、バッテリーパックの特許を外部に開放しています。

 価値交換マップ(バリューウェブと呼ばれることもある)は、ビジネスモデルの背後にある価値ネットワーク内部の利害関係者の間で交換される価値を描くものです。これは、ビジネスモデルキャンバスを補完するとともに、オープンイノベーションに対する機会を捉える包括的なマップを提供するものです(図1)。

Airbnbの価値交換マップ図1. Airbnbの価値交換マップ 注1)

 まずは価値交換マップの描写手順を簡単にご説明していきましょう。

1. 自社のビジネスモデルに関連する全ての利害関係者を洗い出す
 顧客、サプライヤー、パートナー、補完事業者、流通業者、政府や自治体、コミュニティなど(既にビジネスモデルキャンバスを描写している場合は、そのキャンバスから持ってくることができます)。自社のターゲット顧客にアプローチしている競合他社を含めても良いでしょう。

2. 価値フローを検証する
 利害関係者との間で交換される価値や交流に関する考察をします。プロダクトやサービスの対価として金銭が交換されることはすぐに思いつくでしょう。この他、データ、権利、信用、評判、経験といった見逃しやすい価値を発見するがこのステップでの重要なポイントです。

3. 価値交換マップを作成する
 上記ステップで得られた情報をベースに、利害関係者(ノード)と価値フロー(リンク)をプロットしていきます。一般的には、自社をマップの中心付近に置き、右サイドに顧客、左サイドにパートナーを置きます。ただし、流通業者のような前方のチャネルパートナーは、自社と顧客との間に置く方が理解しやすいでしょう。

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

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