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“次世代のポーター”が語る「競争優位の構築と持続」

ニコライ・シゲルコ教授/「WGF東京2013」レポート:第3回

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「自社の競走優位」と「支払い意欲」を刺激する“価値提案”

 顧客が競合他社のではなく、自社の製品を買う理由を考えみる。WTP(支払い意欲)から実際に支払わなければならなかった価格を引いた値が、顧客によって充当される価値である(言い換えれば会社が顧客に与えている価値)。顧客にとっては、WTPか実際の価格かどちらかではなく、この“差”が重要なのだ。

 つまり、WTPを引き上げるか(例:アップルのiPod)、コストを削減すれば(例:サウスウエスト)、自社の価値は大きくできる。

 アップルのiPodは、iTunesという補完サービスを自ら作り、WTPを引き上げた。それに対し、サウスウエストはサービスを限定し、コストを下げた分だけ低料金にした。アプローチは異なるが、どちらも顧客にとって魅力的なサービスを提供し、成功している。企業ポジションを検討する際、WTPを左右する要因とコストを左右する要因の両方を理解しておくことは不可欠である。

自社の競争優位(CA)の大きさの測り方

 自社の競争優位(CA)の大きさの見当をつける方法として、以下が妥当ではないかと考える。

 CA=(自社の製品に対する顧客のWTPからコストを引いた値)?(最強競合他社製品に対する顧客のWTPからコストを引いた値)

 あるいは、

 CA=(自社の製品に対する顧客のWTPから競合他社の製品に対するコストを引いた値)+(競合他社のコストから自社のコストを引いた値)

 WTPというのは心理的なコンセプトなので、たとえば車に対するWTPには、製品の質だけでなく、運転中の楽しさ、近所の人に注目される喜び、妻に怒られる心配といった気持ち、嗜好も影響する。それで市場のセグメント化が起こる。高級車か大衆車か、WTPはセグメントによって異なるので、競争優位についてもセグメント別に考える必要がある。

 価値を確保するためには、自社は同じセグメント内の競合より大きな価値を生み出さなければならない。つまり、WTPか、コストの面の両方かどちらか一方で競合他社と非対称になるようにしなければならない。

WTP推進要因の測り方

 では、自社の「WTPを推進させる要因」は何か。各要因を書き出して、サウスウエスト航空の例のようにスコアをつけていくとよい。この際、セグメントによって各要因にかけられるウェイトが異なる点にも注意が必要だ。ラウンジの心地よさは、ビジネス客には重要かもしれないが、家族連れには関係がない。

 このような作業により、WTPの面で競合に比べて抜きん出るにはどうしたらいいかということが見えてくる。コスト面でも同様の作業をすればよい。

戦略的イニシアチブの策定・評価のポイント

イニシアチブの策定

 戦略的イニシアチブを策定するためには、これまで論じてきたように、「業界の背景」、「企業のポジショニング」、「活動・資源・能力」について、以下を検討する。

  • 活動により、業界の影響をいかに弱められるか
  • どうすれば、競合よりもWTPを引き上げられるか
  • どうしたら、競合よりもコストを下げられるか
  • どこにポジショニングしたいか

イニシアチブの評価

 各イニシアチブがバリューチェーン全体の中の各取り組みにどんな影響を与えているかを明確にする。

  • WTPとコストにどの程度影響するか
  • 業界構造に関わる問題にどの程度役立つのか
  • 競合他社をどの程度刺激するか

 上記3項目についてのイニシアチブが自社のポジショニングに対して、また自社の他の事業に対してどう影響するかなどを考えよう。

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