境界が曖昧となる組織で重要な「マインドフルネス」
佐宗:
個人と組織の境界線があいまいになる中で、個人と組織でさまざまな変化が起きていると感じます。というのは、「個人」の側では、組織から出てみたものの不安に感じている人も多いようです。組織を出て個人としての活動を持続するためには、「幸福感」とか、「自己効力感」がテーマとして重要性が増しているように感じます。そのために、「マインドフルネス」のような元々禅やチベット仏教にあったようなソリューションが、東洋と西洋がぶつかり合うアメリカ西海岸で体系化されています。
また一方「組織」の側では、これだけ企業と外部という境界線が薄れつつあるなかで、自社がなぜ必要なのかという「存在意義を明確にすること」で芯を固めつつ、外界の変化に柔軟に対応しやすい環境を作るという「内なるレジリエンスを高めること」をどう両立するかという課題を抱えると思います。「組織」という形式を保ちながらも、オープンな社会環境にも対応しなければならないといった矛盾、ジレンマがあって。企業内VCや、オープンイノベーションやレジリエンスが注目さているのは、そういう背景から生まれていると言えるかもしれません。