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【出張版】スタートアップの時代の終焉

「社会的インパクト投資」とプロジェクト―次のスタートアップのパーティー会場

第4回:次のスタートアップのパーティー会場を探して(後編)

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 元マイクロソフト・ベンチャーズ エヴァンジェリストで、2015年5月から自主サバティカル中の馬田隆明氏。「Medium」掲載の氏のブログが話題だ。記事転載(再編集)にて、スタートアップ時代の終焉とプロジェクト時代の始まりを探る本連載。  第3回目の記事は、「次のスタートアップのパーティー会場を探して」(後編)をお届けする。

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なぜスタートアップも社会的インパクトを考えるべきなのか

 前編で紹介したような流れの中で、スタートアップは本当に社会貢献を意識すべきなのでしょうか。

 個人的にはそれはスタートアップのミッション次第だと思います。

 ただ、それに関連してひとつ面白い指摘を紹介します。スタートアップは反直感的だと言われますが、その中の一つでよく言及される反直感的なことが「困難な問題に取り組むほうが、スタートアップは簡単になる」というものです。2014年にStanford Universityで行われたHow to Start a Startupの第一回では、Y Combinatorの PresidentであるSam Altmanが以下のように述べています。

ミッション志向の会社の三つ目のアドバンテージは、会社の外にいる人々がよりあなたのことを手伝ってくれようになることです。困難で重要なプロジェクトでは、平凡なプロジェクトよりももっと多くのサポートを得ることができます。スタートアップを始めようとしたとき、簡単なスタートアップよりも困難なスタートアップのほうが簡単に創業できるのです。これは反直感的なことの一つであり、人々はこれを理解するのに長い時間を要します。ミッションドリブンであることの重要さは何度言っても足りません。だから最後にもう一度言わせて下さい。平凡な企業、つまり既存のアイデアをコピーしてほんの少しの新しい洞察を加えたような企業は、人々を興奮させず、また成功するためのハードな働きをチームに引き起こすことができません。(※太字は訳者によるもの)

 Y Combinatorの設立者であるPaul Grahamは、スタートアップの創業者との会話の中で、「限りない時間があったときに、そのスタートアップがどんな大志を持つ会社になれるか」を話すことを好むと言っています。私もよくエンジェル投資家から、「創業者のビジョン以上の会社にはなれない」という話を聞きますし、人生に余裕のあるエンジェル投資家の多くは、世界に大きなインパクトを残そうとしている創業者しか応援しないという話も聞きます。

 だから仮に技術シーズを元にしたスタートアップでも、そうした世界に与える恩恵を最終的に考えていく必要があり、 そうしたビッグピクチャーを描く中で、社会貢献という側面はいずれ考えざるを得ない部分があるのではないかと思います。いずれそれを考えざるを得ないのであれば、最初からある程度考えておいたほうが、他人からの支援を受ける上でも利益を受けることができ、結果的に自社の成功にも利するのではないでしょうか。上述のCVCの社会的インパクトへの関与の動きも、『他人からの支援を受けやすい』一つの例として挙げられると思います。

 幸い人類はわずか数十年で絶対的な貧困の数を劇的に減らし、さらにAIやロボットを中心としたオートメーション化などで更に世界的な問題を解決できるものと思われます(そう信じています)。そうした中で、イノベーションの牽引役であるスタートアップが貢献する部分は、個人的にはとても大きいのではないかと思っています。

Has the world overlooked a major achievement?Has the world overlooked a major achievement? (https://www.weforum.org/agenda/2016/01/has-the-world-overlooked-a-major-achievement/)

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本当にスタートアップでやるべきか

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この記事の著者

馬田 隆明(ウマダ タカアキ)

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