デザインとビジネスが出会う場所では、何が生まれようとしているのか
イノベーションを起こすためのツールとしてデザインを取り入れてきた企業は、業界内外における確固たる地位を築き、長年にわたり輝かしい業績を残している。昨年発表されたDMIデザインバリュー・インデックス(※1)によると、 デザインを重要視している企業はS&P500(※2)の指数を過去10年間で219%も伸ばしている。
KPCB (※3) のデザイン・パートナーを務めるジョン・マエダ氏も「Design in Tech」というリサーチ・レポートにおいて 、 デザイナーによって設立された会社で、後にGoogleやFacebook、Yahoo!、Adobe、Dropbox、LinkedInのような名だたる大企業によって買収された企業は、2010年以降だけでも27社にのぼるとしている。
※3:シリコンバレーでも有数なベンチャーキャピタルとして知られる、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ
また、世界中で戦略コンサルティングファームや広告代理店、IT企業や銀行までもがデザイン・スタジオの獲得に乗り出し(かくいう私たちDesignitも昨年、世界トップのITプロバイダーの一つであるWiproの傘下に入った)、IBMやGE、P&Gなどの大企業もデザイナーを経営幹部に迎え入れ、社内に強力なデザイン組織を構築しようとしている。
このように、多くの企業や組織が切望するような強みを生み出すデザインとは、一体どういうものなのだろうか? いまそれを考えることが、なぜ重要なのだろうか?