デザインとは、長らく視覚的に美しいものを作ることであると考えられてきたが、戦略として捉えることで、企業にイノベーションや変革をもたらし、時代のニーズに沿った存在であり続ける助けとなる。本連載では、戦略的デザインとはどういうもので、どのように使うことができるのか、デザイン中心の企業になるためにはどうしたら良いのか、そしてデザインによって産業が発展し、世界への影響を拡大させた事例に関しても言及する。
デザインとビジネスが出会う場所では、何が生まれようとしているのか
イノベーションを起こすためのツールとしてデザインを取り入れてきた企業は、業界内外における確固たる地位を築き、長年にわたり輝かしい業績を残している。昨年発表されたDMIデザインバリュー・インデックス(※1)によると、 デザインを重要視している企業はS&P500(※2)の指数を過去10年間で219%も伸ばしている。
DMIデザインバリュー・インデックス
引用元 http://www.dmi.org/?page=designdrivesvalue
※1:デザインマネジメントに関する調査を行っているボストンの非営利組織であるDesign Management Instituteによる
※2:アメリカの投資情報会社であるスタンダード・アンド・プアーズ社が算出している、株式インデックス。アメリカの代表的な500銘柄で構成される。
KPCB (※3) のデザイン・パートナーを務めるジョン・マエダ氏も「Design in Tech」というリサーチ・レポートにおいて 、 デザイナーによって設立された会社で、後にGoogleやFacebook、Yahoo!、Adobe、Dropbox、LinkedInのような名だたる大企業によって買収された企業は、2010年以降だけでも27社にのぼるとしている。
※3:シリコンバレーでも有数なベンチャーキャピタルとして知られる、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ
また、世界中で戦略コンサルティングファームや広告代理店、IT企業や銀行までもがデザイン・スタジオの獲得に乗り出し(かくいう私たちDesignitも昨年、世界トップのITプロバイダーの一つであるWiproの傘下に入った)、IBMやGE、P&Gなどの大企業もデザイナーを経営幹部に迎え入れ、社内に強力なデザイン組織を構築しようとしている。
このように、多くの企業や組織が切望するような強みを生み出すデザインとは、一体どういうものなのだろうか? いまそれを考えることが、なぜ重要なのだろうか?
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