中央銀行デジタル通貨によるナローバンキング化
ブロードベント氏はここに着目し、金融危機などをきっかけに銀行預金から中央銀行デジタル通貨へのシフトが起きれば、銀行は貸出の元手となる資金が枯渇し、上述のような信用創造ができなくなるとする。そうなれば、銀行からのローンに頼っている中小企業や家計は大きな痛手を被るかもしれないというのである。(大企業は社債などで直接的に資金を調達することができる。)
中央銀行デジタル通貨は、貸し出されることがないと考えれば安全ではあるものの、信用創造には使えないため、銀行を通じた経済活動の促進に支障が生じるというのである。このように信用創造の割合が低い金融システムのことを、ナロー(Narrow)・バンキングとも呼ぶ。