世界トップレベルの医療分野のイノベーションが国の財政健全化につながる
公益資本主義の3つ目の戦略は企業家精神であるが、原氏がデジタル革命以降の発展が期待できる分野として注目しているのがICTとライフサイエンスの融合によるイノベーションだ。
中産階級層や社員に対してもしっかりと所得を回していくという流れを作るとともに、公益資本主義のもとに新しい基幹産業を作っていくのです。資源のない日本には革新的な技術を使った新産業が向いていますが、中でも医学の分野は、iPSを中心に世界でもトップレベルの研究者が日本に集中しています。こういった分野をしっかりとやり、人々が亡くなる直前まで元気でいれば、介護や医療費がかからず、また高齢者も働き手として活躍できるということになるので、財政の健全化ができます。
短期思考に陥った英米がUberやAirbnbなど、儲かるけれども技術革新とはあまり関係がない事業に注目している間に、日本が技術革新による新産業を興こし、日本から公益資本主義の考え方を広げていくことが、今後30億の人口増加が見込まれる世界の実体経済への貢献にもなるというのが、原氏の考えだ。