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原丈人氏が語る、「公益資本主義によるイノベーション」と「必要となる制度改革」とは?

「2016ワールド・アライアンス・フォーラム東京円卓会議」基調講演レポート

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 2016年10月19日、公益資本主義による成長戦略“GDP600 兆円実現は可能”をテーマに「2016ワールド・アライアンス・フォーラム東京円卓会議」が開催された。アライアンス・フォーラム財団の代表理事、原 丈人氏の基調講演の内容をレポートする。

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GDP600兆円は、正社員と非正規社員の名目所得20%アップで実現する

 現政権が目標に掲げる「GDP600兆円」、これをいかにして実現するか。原氏は自身の著書『21世紀の国富論』で提唱する「公益資本主義」の立場から、具体的な戦略を説明した。

『増補 21世紀の国富論』増補 21世紀の国富論

 まず、現在のアベノミクスの状況を概観すると、金融緩和で株価や不動産価格は上がっているが、国民の株式や投資用不動産の保有率が低い状況において資産効果が感じられず、結果、消費は低下している。企業における減税や増益、内部留保の取崩し分も、ほとんど株主還元に充当されており、外国人投資家を通じて富の海外流出を引き起こしている。

 配当と株価の高騰により、外国人投資家と投機家、富裕層は大いに潤っているが、GDP600兆円を達成するためにやらなければいけないことは、中間層や貧困層の名目所得を20%上げることだと、原氏は提言する。

GDPは名目所得の総和ですから、現在500兆円のGDPは、正社員や非正規社員である中間層や貧困層の所得を2割上げるだけで実現するのです。

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