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リクルート伝説の創刊男くらたまなぶさんが、メディア “d” スクールをはじめた理由

くらたまなぶ氏インタビュー(前編)

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くらたまなぶさんといえば、リクルート時代に数多くのメディアを創刊した伝説のプロデューサー。「創刊男」として活躍した経験をもとに、多くの後輩たちにたくさんの示唆を与え続けてきました。そんなくらたさんのメッセージは世代を超えて後輩であるリクルートテクノロジーズ坂本千映子さんへと届き、再び若い世代の学びの場が生まれました。なぜ今改めて、製品・サービスの企画・開発にくらたさんの手法や考え方が求められているのか。立ち上げの経緯とともに、込められた思いについてうかがいました。

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娘の世代みたいな後輩から頼まれスクールを開設

くらたまなぶ氏
1978年、(株)日本リクルートセンター(87年リクルートに改称)にアルバイトとして入社。翌年、正社員として中途入社。1980年の「とらばーゆ」をはじめ、「フロムエー」「エイビーロード」「じゃらん」「ゼクシィ」「ダヴィンチ」など在籍20年間に14のメディアを創刊、14のビジネスを起業する。1998年にリクルートをフレックス定年退社し、有限会社あそぶとまなぶ事務所を開設(2004年株式会社あそぶとまなぶに改組・改称)。企業や大学、自治体等への講演・コンサルティング等多数。

——くらたまなぶさんといえばリクルートでは伝説の存在であり、直接会ったことがない方でも、社内研修制度「メディアの学校」を通じて影響を受けたと聞きます。なぜ今再び、講師として立たれることになったのですか。

 きっかけは、リクルートテクノロジーズの坂本さんからFacebookを通じてご連絡をいただいたことです。「ご本を読みました。ユーザーの気持ちを汲み取り、商品やサービスに反映させていく方法について講義をしていただけないですか」ととても丁寧なご依頼をいただき、早速お会いすることになったんです。お会いしてびっくり、もう娘みたいな世代じゃないですか(笑)。

そんな若い世代に、どんなことを伝えればいいのか、私なりに悩んだんです。私がメディアを立ち上げる時にやっていたのは、社外でやることばかり。いわば実践派ですから。

たとえば、湾岸警察署のいかりや長介が演じる刑事みたいなもんですよ。足で情報を集めて、ふと立ち寄ったアパートの奥から響く男の声にピンと来ちゃうんですよね。あとで知性派が調べると、実際男はムショから逃亡中で内縁関係の妻のところに潜伏してた…みたいな(笑)。きっとピンと来た理由を聞かれたら、彼はきっと声色とか雰囲気とか、いろいろ説明するだろうけど、わかる人にしかきっとわからないんですよね。

そんな話をして、坂本さんに「そんなオレの講義でいいのかい?」と聞いたら、「それがいいんです!」と言ってくれて。とはいえ、実践の中で「ああこれだ」と掴んでもらうならともかく、研修室の中で、それをどうやって伝えていくのか…。そんな時にふと気になって、“積ん読”の中からスタンフォード大学の「d.school」に関する本を引っ張り出して一気に読んでみたら、まさにドンピシャ!「えっ、 半分以上、オレのメソッドじゃん!」と。いや、本気で驚きました。

「d.school」がすばらしいのは、1991年から教室の中でトライアルアンドエラーを重ねて体系化されているところです。私がアナログでやっていたことを、本当に洗練された形でコンパクトにまとめている。だから、逆にその体系に則って私なりの肉付けをしていけば、面白くわかりやすいものになるのではないかと思いました。

 そんな思いもあって名付けたのが「くらたまなぶのメディア “d” スクール」です。実は、リクルート時代には雑誌やWebメディアのプロデュース職や編集職、ITエンジニア職を対象に「メディアの学校」という社内研修制度を立ち上げたことがあったんです。それが現存しているので、それとはまた違う形でと思い、最初は「くらたまなぶのメディア塾」としたんです。学校よりちょっとカジュアル、自由度が高いイメージですね。でも、スタンフォード大学のメソッドを盛り込んだので、敬意を表して「“d” スクール」と。それで、まずはリクルートテクノロジーズの中から若手メンバー16名を集めて、週1回10回に渡る授業を行いました。

第一期は5月から7月下旬まで。7月28日の卒業式で、一人ひとり手渡した卒業証書には「つねにユーザー視点をベースにしたイノベーターの資格を得られたことを証します」と入れました。16人、それぞれに事業プレゼンテーションをやってもらったのですが、いずれも素晴らしい出来でしたね。ちなみに坂本さんはとても優秀な生徒で、スクールが終るまでにリアルな仕事でも事業計画書をつくって上司にプレゼンテーションしたそうです。それが、もう新サービスとしてそろそろローンチするというので、さすがだなと。

それぞれ「リクナビ」「カーセンサー」など、担当部署に戻ってからはもちろん、リクルートの新しい事業、個人的な思いに基づく新しい事業等、それぞれのフィールドで活躍してもらいたいと思っています。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

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