2030年に自動車市場は激減する
デロイトトーマツコンサルティングが発行した『モビリティー革命2030』(日経BP)では、「モビリティー革命」を引き起こすドライバーとして以下の3つをあげている。
- パワートレーンの多様化
- クルマの知能化・IoT化
- シェアリングサービスの台頭
個々の要因の未来予測については、これまでも断片的に語られてきたが、「全体観として網羅的に提示したのは初めてと自負する」と本書の全体監修をおこなったデロイト トーマツ コンサルティングの佐瀬真人氏は語る。
この本で提示されている自動車産業の未来は、決して明るいものではない。将来的に製造業としての自動車産業の販売利益は激減する。次世代車への移行も決して利益を保証するものではなく、むしろ日本車の従来の競争力だった燃費などの性能面での優位性が消失し、2030年には台数の減少、低価格帯へのシフトによって、売上高は9%、営業利益は7%減少するという。しかし自動車製造販売としての未来は明るくはないものの、モビリティーという産業全体で見た場合、ビジネスモデルの変化が生まれ、そこから大きな付加価値が生まれる可能性もあるという。