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2030年の自動車産業の危機と大変化をデロイトトーマツコンサルティングが予測。

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自動車メーカーの営業利益の48%が吹き飛ぶ

2015年、COP21でパリ協定が採択された。協定ではCO2削減の取組みを実現するためには、気温の2°C抑制が必要とされ、そのためには2050年に90%のCO2排出量の削減が必要となる。デロイトの試算では、その実現のため、世界全体の新車販売において2030年には4台に1台、2050年には全ての車が次世代車になる必要がある。

2030年の時点では、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)などの電動車両が新車の半数を占めていることになる。この時期には、これまでの自動車メーカーの差別化要因であった燃費技術はもはや当たり前となっているという。

デロイトが現在のガソリン車と電動車両の台あたり収益率をベースに試算した結果では、電動車両が新車販売の半数を占めた場合、「乗用車メーカーの営業利益の約48%が吹き飛ぶ」と見込んでいる。(『モビリティー革命2030』第5章より)

今後の自動車産業を考える時に、シェアリングサービスの影響を抜きにして考えられないだろう。タクシーのライドシェアとして急成長したUberや、空き家の貸し手と宿泊客をマッチングさせるAirbnbなどのビジネスのトレンドは「シェアリングエコノミー」と呼ばれ、この流れはとどまることを知らない。

デロイトの試算では、将来的に2台に1台のクルマがシェアされる可能性があるという。その影響によって、主要8地域の乗用車保有台数が最大で53%減少するというのだ。

こうしたシェアリングの波に対して、従来の自動車メーカーはどのような対応を考えているか。これまでの各社のコメントから見ると、欧米のメーカーがシェアリングに対して前向きな姿勢を示している後に対し、日本は非常に保守的なのだという。
例えば、欧州のダイムラーは自らシェアリングサービス「Car2GO」、BMWは「Drive Now」を展開している。米国のGMは「われわれは自分たちを破壊していく」と表明し、コネクテッドサービス「Relay Ride」を展開し、ライドシェアである「Lyft」に出資している。さらにフォードもカーシェア事業「Ford2GO」を展開し、カーシェア・レンタカー大手の「ZipCar」に出資している。こうした欧米の積極姿勢に比べると、日本の自動車メーカーはシェアリングに対して腰が引けていて、積極的な経営者のコメントは少ない。とはいえ日本でもトヨタのUberとの提携などの動きは出てきている。

自動車産業にとってシェアリングは破壊的インパクトをもたらすことは明らかだ。

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新モビリティ産業では40兆円の付加価値シフトが起こる

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