組織のビジョンや戦略との調整を支援する「ストラテジック・エレメント」
1つ目の「ビジョンと戦略との調整支援」は、例えば、第1回、第2回でも紹介したAdobeやCiscoでは、社内イノベーションプログラムの参加者に「ストラテジック・エレメント」というツールを共有している。
ストラテジック・エレメントとは、マーケット、テクノロジー、ビジネスモデルの3つの観点から今後自社が注力していく領域を可視化した戦略マップだ。参加者は、この要素を自由に組み合わせることで、自分のアイデアやビジョンを全社のビジョン・戦略とアライン(調整)させながら事業アイデアを構想していく。
こうしたツールは、イントラプレナーが自らの思いやアイデアを、組織のビジョンや戦略、そして存在意義に重ね合わせながら育てていくことを支援する。芽生えた社員の思いや主体性を挫くことなく自律分散型のイノベーション創造の仕組みをつくっていく模索の中で生まれてきたプラクティスと言えるだろう。