今回発表されたIBMの新サービスは、IBMが2016年1月に買収したThe Weather Company(TWC)の気象情報予測のテクノロジーと、IBM Watsonに代表されるコグニティブやデータ分析テクノロジーを組み合わせ、高度な気象情報を企業向けに提供するというもの。
すでにTWC蓄積してきた気象情報モデルとIBMの研究成果を組み合わせた「Deep Thunder」という新しい気象情報予測モデルを発表しているが、これらの研究成果を、業界・業種ごとのノウハウと融合し、ビジネス貢献するためのコンセルティング・サービスをおこなうという。
今回提供を開始するサービスは、日本IBMの本社事業所内に設置された「アジア・太平洋気象予報センター(APFC: Asia Pacific Forecast Center)」で気象予報士が、海外の気象局や日本の気象庁、Deep Thunderなどの数値予報モデルのデータ、レーダーやアメダスなどの実況資料をもとに修正し、1時間ごとに(1〜3時間先の短時間予報ではレーダー等の観測データを用いて15分間隔で)気象予報データを作成して以下のように企業向けに提供する。
The Weather Company データ・パッケージ:
現在の気象や将来の予報、季節的な気象状況や悪天候に関する気象データなど広範なデータを利用できる。クラウド経由で、気象データのAPIにアクセス可能で、必要なデータを、通知、予報データ、画像等を含めた様々な形式で提供する。すでにIBMの統計解析ソフトウェアであるSPSS Modelerからも、追加サービスとしてこれらのデータの取得が可能となる。
さらに、航空業界、電力業界、メディア業界といった業界要件に応じたパッケージ・ソリューションも提供される。
個別企業向けのソリューション構築サービス:
個別の企業の要件に応じて気象予報データの活用ソリューションの構築を支援する。。IBM クラウドを活用したSaaS型アプリケーションを構築できる。
「今回の気象情報サービスは、コグニティブ・プラットフォームのIBM Watsonのサービスの一環、今後ヘルスケア、金融などの分野にも同種のコグニティブサービスを拡張していく。」(日本IBM 執行役員 ワトソン事業部担当 吉崎敏文氏)