21世紀のイノベーション創造に求められる「組織の変革」とは
世界中から企業イノベーションの担い手たちが集結する「イントラプレナーシップ・カンファレンス」。2016年11月に米シリコンバレーで開催された、同イベントに唯一の日本人として、2年連続で参加したのが小林泰紘氏だ。
冒頭、小林氏は2016年11月のイントラプレナーシップ・カンファレンスの特徴について触れる。
2015年、ニューヨークで開催された内容に比べ、2016年は単なるイノベーション創出の方法論だけでなく、急激な変化の時代に求められる組織変革やイノベーション文化の醸成に焦点が移っていたように思います。(小林氏)
あらゆる情報のデジタル化や指数関数的なテクノロジーの進化によって、ここ数年、企業を取り巻く環境は大きく変化している。Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字をとった「VUCA(ブーカ)」という言葉が生まれるなど、先行き不透明な時代になってきている。
Forbes(フォーブス)によれば、1958年には「61年」だった企業の平均寿命は2027年には「15年」まで短くなると予測されている。実際、米ビデオレンタル大手の「BLOCKBUSTER(ブロックバスター)」が、定額制動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」によって淘汰されるまでかかった歳月はわずか6年だったという。
この事実を踏まえ、小林氏は「急激な変化に対応していくための21世紀型の組織の在り方が模索されており、イノベーション創造はもはや組織の変革抜きには語れない時代になってきている」と語る。
そして、小林氏がそのためのキーワードとして挙げたのが“自律性”だ。