完全審査制 AIビジネスマッチングアプリ yenta(株式会社アトラエ運営)は、2017年4月27日に、「日本のグローバル化について考える会」というイベントを開催した。
JapanTaxiの2020年の東京オリンピックに向けた日本のグローバル対応に対する取り組みや、ユーザベースの米国展開のチャレンジ、ランサーズのグローバルに対する捉え方、フランジアの視点からの日本のグローバル化など、刺激的な内容が多く、日本のグローバル化を推し進める上で、学びの多い内容ばかりだった。
Uberの衝撃、「本当にやばいな」と思った
イベントの先陣を切って登壇したのは、日本の交通インフラを支える日本交通株式会社の代表と「全国タクシーアプリ」の運営やタクシーのソフト・ハードウェア開発を手がけるJapanTaxi株式会社(日本交通が母体)の代表を務める川鍋一朗氏。
まず初めに「日本交通・JapanTaxiはまだグローバル企業じゃない。ただ、オリンピックも含めて日本のインバウンド需要に対応することで、交通インフラを通じて日本の国際化に貢献していくという意味で、今回登壇させていただくことになった」と話し始めた。
日本交通とJapanTaxi言えば、最近「全国タクシーアプリ」のリニューアル、車内での動画配信、初乗り運賃の引き下げなど、レガシーな業界では考えられないスピード感で、タクシー業界の改革を推し進めている会社である。
その改革に至った経緯や、これからの移送の未来についてワクワクする話をしてくれた。
川鍋氏が最初に話してくれたのは、日本交通タクシー配車というアプリの開発を開始したときのストーリーだった。
川鍋氏が日本交通の再建を成功させたのは有名な話だが、その土台が整ってきたタイミングで、既存の仕組みを改善するだけではなく、新しい未来を作る取り組みをしなければという危機感が生まれ、社内のネットワークエンジニアで一番できの良い人間に、「アプリを作ってくれ」と頼み開発を始めたのがアプリ開発のスタートだったという。
最初は、タクシーを電話で呼ぶ延長のようなアプリをイメージして開発をスタートしたらしい。
その後、アプリもリリースして、そろそろシリコンバレーに行ってみようという話になり、川鍋氏も含めた7名でシリコンバレーに訪問した時に、圧倒的な危機感が生まれた話をしてくれた。
総勢7人で2012年1月にシリコンバレーに行ったときに、向こうの空港に着いて、まず初めにUberを使ってみたら、衝撃が走りました。そのまま7人全員で空港に3時間くらい滞在して、Uberを徹底的に研究しましたね。このときに本当にやばいな…と感じました。(川鍋氏)
今まで毎日のようにタクシー会社で「挨拶しましょう」とか「ネクタイが曲がってる」とか言って、タクシーの乗務員のサービスレベルを高めるかを考えてきたが、Uberでは相互評価という仕組みで勝手にサービスレベルが上がる仕組みが導入されていたり、そもそもUberの運転手は日本交通みたいに正社員ではなかったりと、今までの常識が一変したという。
元来“交通”の領域は、変化の動きを早めることが難しい領域だが、東京オリンピックが最大の推進力となって、今まさに動きを活発化できるタイミングであり、「これからオリンピックまでは、やれる弾を全部詰め込むという勢いで推進してきます」と力強く話してくれた。