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IoTサービスデザインによる「IoT進化論」

IoTサービスデザインによる「IoT進化論」──次のステージへ導く「3つのシフト」とは?

第1回

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 ガートナージャパンは、10月3日に「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を発表しました。それによれば、IoT(モノのインターネット)は、過度な期待のピークから幻滅期への坂を下りつつあり、企業の取り組み姿勢は一時的に慎重になることも予想されるとコメントしています。この2年間、「IoTとは何か、何ができるのか、技術要素とは何か?」という問いに対する多くの記事や書籍を目にするようになりました。過度なブームが一段落した今、「IoT活用における本当のビジネス成果とは何か?」という次のステージに進むための腰を据えた議論が必要となってくるのではないでしょうか?
 本連載では「成果指向のIoTサービスデザイン」というテーマを事例なども含めて解説してまいります。第1回である今回は、次の10年間で多くの企業が取り組まなければならない「3つの重要なテーマ(脅威または機会)」を取り上げてみたいと思います。

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「プロダクトの販売」から「成果の共有」へのシフト──「成果に基づく経済」に必要な“3つの能力”

 世界中から政治、経済界の重鎮らが集まることで知られている世界経済フォーラム年次総会(通称:ダボス会議)。2015年には、「インダストリアルIoTの進化」がビジネスや経済へと与える影響について議論が行われました。この中で最も注目されたコンセプトが、「成果に基づく経済」というパラダイムシフトです(図1)。

インダストリアルIoTによるパラダイムシフト(図1)インダストリアルIoTによるパラダイムシフト

 このコンセプトは、特定のプロダクトやサービスそのものを販売することから、プロダクトやサービスを通じて顧客が得られた測定可能な成果を販売することによって競争する経済へのシフトを説明するものです。つまり、「買い手は成果に対してお金を支払う意思を示し、売り手はその成果を買い手に約束すると同時に、実現された成果に対して報酬を得ること」を意味します。

 これは一般的に、「XaaS(Xをサービスとして提供する)」というIoTを活用した新しいビジネスモデルのパターンとして捉えることができます。英国ロールスロイス社の航空部門が提供している「ジェットエンジン・アズ・ア・サービス(正式名称はトータルケアサービス)」、オランダの家電メーカーであるフィリップス社の提供する「ライティング・アズ・ア・サービス(光をサービスとして提供する)」が良いサンプルです。もっとも、これらの欧米企業がお手本にしてきたとも言われているコマツ社が提供するコムトラックスを忘れてはいけません。

 いずれのケースにおいても、センサーが取り付けられたプロダクトと洗練されたアナリティクス技術を組み合わせることによって、オペレーションコスト、エネルギーコスト、ダウンタイムの削減、プロダクト寿命の延長といった成果を実現するための包括的契約をクライアント企業と締結しています。

 売り手側としては、プロダクト販売者から成果をクライアントとともに共有するパートナー企業として変身することができる可能性をもっています。さらに、センサーから収集された膨大なデータとその分析結果を知的資産としてクライアント企業と共有するため、「ロックイン」のメカニズムが働き、他社に乗り換えるための「スイッチングコスト(私たちの多くがExcelを使い続けているのと同じ理由です)」は非常に高くつくことになります。したがって、モノ売り中心の思考から脱却することができない企業は締め出されてしまう可能性を秘めています。

 皆さんが、このようなビジネスモデルに転身するためには、少なくとも以下の3つの能力を獲得することが必要となってくるでしょう。

  • 自社またはクライアント企業の対象業務、プロセス、望ましい成果、プロダクトやサービスの利用ケースに対する深い洞察力
  • リアルタイムに実際の成果を測定することができる能力
  • 望ましい成果を実現するために必要な調整や修正を素早く履行することができる能力

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IT(情報技術)とOT(運用技術)の統合がインダストリアルIoTの本質

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

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