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インダストリーX.0とは何か?

インダストリーX.0で日本の製造業が勝つために──未来のプロダクトは今あるモノとは“完全に異なる”

第1回 

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インダストリーX.0が対峙するモノづくりの世界──企業の付加価値創造プロセスは「ムサシカーブ」から「スマイルカーブ」へ

 さきほどのような産業の地殻変動は携帯電話市場だけで起こった話ではない。自動車市場でもこの変化は進行中だ。一世代前までは、トヨタ「クラウン」といえば部長級の人が購入するクルマの象徴だった。製品と顧客の獲得する価値や社会通念の価値はほぼ同じであったといえる。ところが、現代に目を転じれば、製品そのものに対する顧客の所有欲や社会ステータスは一昔前のそれとは合致しなくなってきている。また、そもそもクルマに対する憧れやロマンは都市部に住む大多数の若者の間で薄れてしまっている。モノと「そのモノが持つ顧客価値」は分離し、そのモノを通して得られる体験や経験などに顧客は価値を感じる時代となっている。

 このような変化は、企業の付加価値創造のプロセスに大きな影響を与える。過去、伝統的な競争環境下では、価格に対して「製品そのものの価値=性能×品質」で勝負することが求められていた。携帯電話業界では、軽量化・電池長寿命化などハードウェアの機能が勝負のカギを握っており、製造オペレーション効率化がグローバル市場で戦うための舞台でありルールであった。極限までカイゼンを繰り返し、無理・無駄を省いて生産性を向上させ、微かな公差や金属音の違いなどを見分ける「匠の技」が特に海外製品との差別化要因となっていた。いわゆる「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と経営書で賞賛されてきた日本の戦い方が確かにそこにはあった。

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花岡 直毅(ハナオカ ナオキ)

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