テクノロジーの進化や新興企業のスピード感への対応に必要な“ソフト中心”の開発
インダストリーX.0の世界観に照らし合わせた場合、従来のものづくりの方法を前提とした「改革」レベルの構えではグローバルの変化に対応できない恐れがある。それは、速球や変化球に全く歯が立たないままバッターボックスに立つようなものなのだ。
従来のスタンドアローン型の製品では、メカ>エレキ>ソフトの主従関係で直列的に行われてきた設計開発だが、インダストリーX.0の世界では、ソフトが設計開発の中心に位置するようになる。
これまで触れてきたように、スマート化・コネクティッド化のために必要なセンサーや機械学習、ブロックチェーンなどのデジタルテクノロジーの進化スピードは、自社の開発リードタイムとは比べ物にならないほど速い(図表2)。より良い顧客体験を提供する同業他社や新興デジタル企業に、いつの間にか大差をつけられてしまうリスクを常に抱えていることに、まずは目を向けるべきである。