「事業プロセスごとに特化し分業」するのではなく、事業プロセスの「各フェーズを順番に行う」と成功確率がアップする理由
デザイン思考プロセスの後半では、プロトタイプを用いて、アイデアが顧客に受け入れられるものであるかどうかを検証します。アイデアを素早く形にして顧客に体験してもらい、素早く欠点を発見し、素早く改善することを繰り返すことにより、致命的な失敗を回避してサービス/製品の完成度を着実に高めていきます。なお、プロトタイプ⇔検証のプロセスで定義した問題の妥当性を検証することができ、場合によっては共感・問題提議の段階に立ち返るケースもあります。
企業の新規事業プロジェクトにおいては、潤沢な予算の確保、綿密な事業計画で万全の体制で新規事業に取り組んだものの、結局はニーズがない/市場が存在しないことが原因で頓挫してしまうケースが多く見受けられます。不確実なイノベーションに取り組むうえでは、このような致命的な失敗を回避するために、反証のプロセスを経て小さな失敗から学習・改善を繰り返し、事業の成功確率を高めていくプロトタイピングのアプローチが最適な手段になります。