既存の枠組みを超えたアイデアを創出する「発散の9ブロック」と「収束の評価軸」とは?

連載第2部第3回(第11回)

 前回は、1.発見、2.定義、3.展開、4.実現のプロセスを経て、価値あるサービスアイデアを生み出すプロセスについてご紹介し、ユーザーへの共感をベースとしたリサーチとユーザーモデリングのプロセスを具体例と共に解説してきました。本稿では、体系化された方法論を用いてペルソナを起点としたアイデアの発散と収束を行い、サービスコンセプトを定義するプロセスを解説していきます。

[公開日]

[著] 鈴木 郁斗

[タグ] デザイン思考 サービスデザイン ペルソナ ユーザーリサーチ ユーザーモデル

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“偶発的なイノベーションを計画的に実現”するためのアイデア創出の二大鉄則は「連想と結合」と「質より量」

 画期的で良質なアイデアは、ある一定の法則に則って体系化されたプロセスを踏むことで、“偶発的なイノベーションを計画的に実現”することができます。

 かつてニュートンは、りんごが木から落ちるシーンを見て万有引力の法則を導き出しました。また、イギリスの医学博士アレクサンダー・フレミングは、ブドウ球菌の培養実験中に起こした失敗から、青カビが細菌を溶解することを突き止め、後に世界初の抗生物質となるペニシリンを世に送り出しました。

 これらのアイデアは決してニュートンやフレミングの先天的な才能によるものではなく、課題に向き合い続けた結果、本来関連性のない全く別の事象からひらめきを得た結果に他なりません。

 アイデア創出の手法として、「ブレーンストーミング」や「オズボーンのチェックリスト」を提唱し世に広めたことで知られる集団発想法の専門家アレックス・F・オズボーンが、良質なアイデアを集団によって意図的に創出できることを証明し、今ではアイデア創出のプロセスやフレームワークが体系化され、広く応用されるようになりました。

 オズボーンがアイデア創出の法則・手法として提唱する中で強調している、「1.連想と結合」「2.質より量」という2つの項目は、デザイン思考を啓蒙する産学の領域でも、良質なアイデアを生み出すための鉄則として定着しています。

1.連想と結合

 ニュートンやフレミングが、りんごや青カビからイノベーションを起こしたように、イノベーションに至る画期的なアイデアの多くは、関連性のない異分野同士の融合によって生まれています。このような、関連性のない異分野のある要素からアイデアのヒントを得るアプローチは俗に「アナロジー(類推)」と呼ばれ、強制発想のフレームワークとして広く応用され、その中でもオズボーンのチェックリストや、SCAMPERなどが有名です。

2.質より量

 ある程度シュートを打つ方向が定まれば、あとはひたすらゴールに向かってシュートを打ち続けることで成功確率が高まることと同様に、連想と結合によりアイデアを大量に発散することで、“偶発的なイノベーションを計画的に実現"できる確率が高くなります。直線で答えを求めようとせず、まずはボツネタを厭わずアイデアを発散し、そこから連想・連結を発展させていきます。

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