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エクスポネンシャル思考とは何か?

「エクスポネンシャル思考」とは何か──“教養としてのテクノロジー俯瞰力”が必要な理由

エクスポネンシャル思考とは何か?第1回

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 われわれ日本人は、加速するテクノロジーの進化を目にし、そのスピードに畏怖し、不安に怯えています。専門家が軽視していた技術は、ことごとくその予測を凌駕し、世界を変えています。今後数年で、製造業は形を変え、サービスは自律化し、デジタルとリアルの壁は溶解し、言語の壁がなくなります。「この波を起こすか、飲み込まれるか」が勝者と敗者の分岐点になります。しかし、激動の時代は未曽有のチャンスが隠れているのも事実であります。  本連載では、「テクノロジーを俯瞰する力」が必須の教養だと定義し、その核となる「エクスポネンシャル思考」を身につけることを推奨します。今回は、テクノロジー進化を俯瞰し、シンギュラリティ議論においてありがちな議論はヨコに置き、シンギュラリティ以前のテクノロジー俯瞰する力が重要となる理由を提示します。

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「テクノロジー進化」には常に“一連の流れ”があり、今後はそのスピードが問題となる

 人類が地球上に登場してから現在に至るまで、テクノロジーの進化には常に“一連の流れ”がありました。それは、もう限界だと思われたテクノロジーには常に代替するものが現れる、という流れです。

 例えばかつてのコンピューターには真空管が使われておりましたが、これ以上の高性能化が限界だと思われた時、別のテクノロジー進化の延長線からトランジスタが現れ真空管を置き換えました。そして、トランジスタの進化が限界に達した時、シリコン半導体による集積回路がそれを置き換えたのです。シリコンチップ上の回路の微細化に対する物理的な限界は半導体の限界とも呼ばれ、そこに達しつつあるのを懸念する人もいます。

 しかし、歴史を見れば明らかなように、いかなるテクノロジーも代替テクノロジーによって置き換えられていきます。材料が置き換えられるのか、それとも、システム全体として違う形になるのか、未来は誰にも分りません。

 テクノロジー進化の加速を人間ひとりの人生の中でもこれだけ感じられる、そんな時代は地球上にあったでしょうか。

 例えば、1990年代に人間はチェスでコンピューターに勝つことができなくなりました。それは当時非常な驚きをもって迎えられたのですが、それでもチェスは盤面という「閉じた世界」の比較的シンプルなゲームであり、限られた計算可能な範囲の話であれば「まあ、あり得るだろう」と思われていたのです。チェスよりもはるかに複雑な囲碁や将棋でコンピューターが人間に勝つのはまだまだ先の話だと思われていました。しかし、2016年にグーグルの子会社であるディープマインド社の人工知能アルファGOが世界最高レベルの棋士であるイ・セドルと対決し、勝利しました。その後もディープマインド社の人工知能は進化を続け、それ以降、人間は囲碁の真剣勝負においてコンピューターに勝つことは一切できなくなったのです。

 アマゾンのEchoや、アップルのiPhoneに搭載されている音声アシスタントSiriなどを代表として、音声によるバーチャル・アシスタントが現実的に我々の生活の役に立ち始めています。日常の生活で、一人が一日の間に会話をするのは大体10人程度。多くても一日50人~100人程度と話すのが限界でしょう。しかし、EchoやSiriは毎日世界中の何億人と同時並行的に会話をしています。

 その頭脳であるコンピューターの計算能力は、ムーアの法則(18ヶ月毎にコスト当たりの性能が倍になる法則)に則り、進化しています。毎日10億人以上と会話し、頭脳部分の処理スピードが100倍以上になっています。乳幼児の学習量や発達スピードと比較してみてください。ものすごいスピードであることがわかります。10年後、AIスピーカーは間違いなく「人間みたい」に話していることでしょう。とはいっても、人間と同じように「考えて」話しているわけではないでしょうが……。

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正確性やスピードを追及している「タスク」は徐々に“蒸発”して、人間をクリエイティブな仕事へ解放する

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この記事の著者

齋藤 和紀(サイトウ カズノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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