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エクスポネンシャル思考とは何か?

エクスポネンシャル思考の土台となる「ムーンショット構想力」と「イノベーターマインド」とは

第3回

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 かつての企業戦略は、「欠乏を補う」ことや「情報のギャップを埋める」ことが、利益の源泉でした。しかし、インターネットにより情報流通の限界コストはゼロになり、テクノロジーにより物は「満ち溢れている(充溢)」状況になりました。では、企業レベルではなく個人レベルではどうでしょうか。資金も人の才能も満ち溢れる時代ですが、それらが“均等に配分されること”は決してありません。もしこのような充溢の時代に不足を感じているのであれば、私たちは一刻も早く戦略転換する必要があります。今回はそのような現代において、必須となる「イノベーターマインド」と「ムーンショット構想力」に迫ります。

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今までの成功法則が非常識になる、資金も人の才能も“満ち溢れる”時代とは?

 いま、資金も人も物も満ち溢れ始めています。デジタル化により限界コストが限りなく下がり、今まで物理的制約から使われていなかった膨大な資源が高速で回転し始めました。

 人を採用しなければその人の才能を使えないという考え方も、非常識になりつつあります。働き方改革の本質は、かつてない「個の解放」です。個が組織に拠らずとも活躍できるのです。物の流通においても同じです。デパートで新品を購入して消費しなくとも、メルカリ等のフリマアプリを使えば、ほとんど労力をかけずに個人間の二次流通マーケットに身を投じることができるのです。

 資金に関しては、さらに大きな変化が起きています。地方の金融機関の専門領域であった小口事業金融が、クラウドファンディングの出現などにより突如として「誰でもできる」状態になりました。しかも資金は世界中から集められるし、投資をする側は世界中に投資ができます。

 事業資金の調達に関して、クラウドファンディングによってピア・トゥー・ピアのマイクロ事業金融が満ち溢れる状況になりました。それよりも少し規模が大きいスタートアップ向け事業金融では、エンジェル投資やコミュニティ育成から行うマイクロ・ベンチャー・キャピタルがあり、ここ数年で満ち溢れる状況になりました。リスクを許容する数千万の元手でいきなり事業をスタートできる状況があるので、銀行から個人補償をつけて資金を借りるというのは完全にナンセンスな状況になりました。

 さらに大きい資金調達はベンチャーファンドで、ここも満ち溢れています。有力なベンチャーに、ベンチャーキャピタルやコーポレートベンチャーキャピタルが群がる状態が続いています。もっと、極端に大きいところでは、ソブリンファンドや巨大ファンドが存在し、三桁億円を超える資金を供給しています。日本では、政府系の産業革新機構もソフトバンクのビジョンファンドも積極的に「勝ち組ベンチャー」に投資をしています。世界で見ても、巨大ファンドの資金は満ち溢れているといえるでしょう。

 資金も人(才能)も満ち溢れてはいますが、均等に配分されることは永遠にないという原則を理解しておくことも重要です。もしあなたがこの「満ち溢れる」状況を感じていないのだとすれば、完全に没落への階段を転げ落ちている可能性が高いでしょう。かつての成功法則という常識に縛られており、インターネット時代に資源を効率利用するということの意味を実際にはきちんと理解していない可能性が高いのです。

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なぜ“挑戦をしない方が損”なのか──「ムーンショット」に“優秀な人や技術”と“莫大な資金”が集まる時代の成功法則とは?

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この記事の著者

齋藤 和紀(サイトウ カズノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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