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「顧客のジョブ」から考えるイノベーション

家電メーカーの新規事業プロジェクトから考える、優れたイノベーションプロセスの4つの特徴とステージ

第1部 第8回(総集編)

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定義する – 顧客のジョブをベースとした市場の定義

最初にチームは、今後数十年にわたって安定したターゲットを見据えるために、顧客のジョブをベースにいくつかの市場を定義しました。プロダクトカテゴリーやテクノロジーをベースとした移り変わりの激しいなか、従来の市場定義の方法で、同社は何度も痛い目に遭ってきたからです。

 顧客のジョブをベースとした市場は、「中核となる機能的ジョブ」と「ジョブ履行者」によって定義することができます(図2)。中核となる機能的ジョブとは、特定のプロダクト/サービスに関わらず、人々が履行しようとしている仕事/用事(例.家事や洗濯をすること)、実現しようとしているゴール/目標(例.転職を実現すること)、解決しようとしている問題/課題(例.糖尿病を治すこと)です。一方、ジョブ履行者とは、皆さんのプロダクト/サービスを最終的に使用/消費する利用者です。

 ジョブとはいつの時代においても安定している一方で、ジョブを成し遂げるために使われるプロダクトカテゴリー(例.デジタル音楽プレーヤー)やテクノロジー(例.人工知能)は時代とともに変化していきます。中長期にわたる継続的なイノベーション活動を行うためには、ジョブをベースとした市場を定義することが重要です。

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白井 和康(シライ カズヤス)

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