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「顧客のジョブ」から考えるイノベーション

家電メーカーの新規事業プロジェクトから考える、優れたイノベーションプロセスの4つの特徴とステージ

第1部 第8回(総集編)

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理解する – 市場におけるすべてのニーズの理解

チームは、選択した市場「夕食の支度をする主婦」におけるすべてのニーズや関連するジョブを収集することにしました。同社が求めるイノベーションの最終的なゴールは、1つのプラットフォーム(プロダクト/サービスの組み合わせからなる)で、ジョブ全体を成し遂げることに役立つソリューションを提供することだからです。

このために、チームは何回かのラウンドに分けて、潜在的な顧客との交流を始めるための計画作りに着手しました。すべてのニーズを漏れなく収集するためには、「夕食の支度をする」ために必要なステップバイステップのプロセスを知る必要があるとチームは気づきました。また、「夕食の支度をする」に関連する感情的および社会的なジョブの理解に努めることにしました。

チームは、一部の社員の協力を得て、奥様が自宅で実際に調理しているところを注意深く観察することにしました。次に、都内にあるクッキングスクールの協力を得て、スクールに通う主婦の方々にインタビューさせてもらうことになりました。

 市場におけるすべてのニーズを漏れなく理解するためには、中核となる機能的ジョブを成し遂げるために必要なステップバイステップによるプロセス(ジョブステップ)に分解していくことからスタートする必要があります(図4)。クリステンセン教授の言葉を借りれば、このプロセスは、現在の状態から将来の望ましい状態に進もうとする進化(プログレス)であり(例.日々料理の腕が上達していく自分)、それは私たち人間の本質的な欲求を満たそうとする行動を意味します。

 ジョブステップに分解していく上で重要なことがあります。それは、顧客が実際にしていること(手段)というよりも、本当にしたいと思っていること(目的)を正しく理解することです。たとえば、「冷蔵庫を開ける」ではなく「家にある食材を点検する」、「クックパッドを見る」ではなく「レシピを調べる」ことが顧客の本当の目的であり、冷蔵庫やクックパッドは現在使っている手段です。顧客の観察やインタビューに当たっては、「なぜ?」「何のために?」という質問テクニックが役に立ちます。

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白井 和康(シライ カズヤス)

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