ネガティブ・スパイラルを超え、都市を再生する「7つの戦略」
2014年、デトロイト出身で弁護士のマイク・ダガン氏が市長選で当選。ダガン氏はそれまでの市長が目指した、都市縮小を前提とする財政・都市構造の対応とは真逆の方針を打ち出した。ダガン氏は、人口をいかに増やすかを考えたのだ。そのために彼が必要としたのは、街に小売業の仕事を増やし、新しい仕事に従事できるように人々を教育することと、安全で快適で美しい公共空間だった。
ダガン氏はデトロイト市の都市計画局(Planning-and-Development-Department)を機能させることが必要だと考え、モーリス・D・コックス氏に出会う。コックス氏はNYCのクーパー・ユニオン大学を卒業後、イタリアのフィレンツェで都市計画と空間デザインの仕事をしていた。その経験を見込まれてデトロイト氏の都市計画局を任されたコックス氏は、開発事業者とともにデトロイト市の発展を刺激し、コミュニティを機能させるような街づくりをするのであれば、50人のスタッフが必要だと要求した。