プラットフォーム時代にも「魔法の杖」はない
以上、新規事業開発における3つのポイントのコツを改めて振り返る。まず「自社優良顧客変換ポイントをカスタマージャーニーから探る」ためには、組織の縦割りを排して密にコミュニケーションを取れる環境を創ることによって、チャンスを発見することができる。また「サービスの立体化」の場面では、フックとなる体験を提供し、立体的・長期的な顧客戦略の立案にまで落とし込むことが必要だ。そして、「ビジョン&サービス」については、単に未来の予測にとどまらず、来週来月から担当者が「動ける」ように、必ず具体的な短期のアクションプランを策定することが大切だ。
最後に改めて加形氏は「プラットフォーム時代というと、何かを用意すればユーザーが自動的に動いていってくれるイメージがありますが、決して『魔法の杖』はありません」と強調する。「いいアイディアやコンセプトだけでなく、具現化、ビジネスへの寄与まで走り切れるチームをつくることが欠かせません。様々な企業のお手伝いをさせていただいていますが、それぞれに異なり、決して“コピペ”でできることはないと実感しています」と語る。
そして、今回紹介した独自の未来予測ツールとリサーチ&ワークショップを交えてアクション可能な事業プランを創出する「2030サービスプラットフォーム構築プログラム」と、新事業創造のための組織体制構築のアセスメントとフレームワークをまとめた「SCHEMA」を紹介。新事業の開発はそう簡単に進められるものではなく、大変苦労することも多いと思いますが、丁寧に取り組んでいけば必ずチャンスが見つかります。ぜひ熱意ある企業内リーダーと一緒に苦労していきたいと思います」と熱く語り、セッションをまとめた。