HMSCが一気通貫で提供する、事業構造リデザイン・プログラムと「Minimum Success Camp」
ここまで、ものづくり業がサービス業へ転換する際に必要な要件(事業の生活者価値)、考え方(クリエイティブジャンプ)、その実践方法(シンボリックスタート)が語られた。
セッションの最後は、これらの前提を踏まえ、HMSCが提供する支援サービスの紹介を、同局のユーザーエクスペリエンスデザイン部 部長入江謙太氏が担当する。
HMSCでは、事業の生活者価値から事業活動の設計/実装までを一気通貫で支援する、事業構造リデザイン・プログラムを提供する。このプログラムの特徴は、「いきなりアイディア」。まず考えて、後から検証を行い、スピーディに事業を動かしていくことを軸としている。
アイディアとロジックを平行して走らせることが重要です。ターゲットやビジネスモデルよりも、まずは事業の独自性。オリジナルで魅力的なアイディアを考え、社内のチームメンバーが「うまくいくね」と思えるレベルまで磨き込めるかが大事です。(入江氏)
そして、経営層含めた社内ステークホルダーとのコミュニケーションもサポート。そのポイントとして、事業の生活者価値のキーワード化がある。広告の世界では、人を動かすキーワードが重要だ。事業の生活者価値も、一言で伝えられる言葉、ビジュアルなどで「直感的な、いけそう感を作れるかが重要」と入江氏。さらにストーリーテリングの手法も効果的だ。明快なコンセプト・具体的な生活者、顧客の利用シーン・マーケティング計画を組み合わせ、社内にメッセージを伝えていく。
さらにHMSCでは、1日型のワークショップ「Minimum Success Camp」も用意。過去の成功事例・市場創造のケースを因数分解し、参考にして発想へいかすプログラムや、フレームワークをもとにしたアイディア発想のプログラムで構成される。
コンサルファーム出身者やデザイナー、データアナリストなど多様なメンバーが揃い、アライアンスを組んだ社外のシステム会社も交え、多角的な事業支援の体制を整えるHMSC。入江氏はその意気込みを次のようにまとめ、セッションを締めくくった。
私たちは、第三者的視点でクライアントの既存事業から資源を見つけ出し、一緒に新しい事業の可能性を形にする存在でありたいと思います。博報堂が築いてきたクリエイティビティで、多くの企業と事業成長のきっかけを生み出してきたいと考えています。(入江氏)