SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

OMO-UX戦略 マーケティングのリ・デザイン

データ活用による顧客理解を「属性把握」から「状況把握」へ移行させる、三つの方法論とは?

第4回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

データ活用による顧客理解は「属性把握」から「状況把握」へ

 前回、顧客データを起点としたサービスデザインに関して、日本市場での実行の妨げとなっている三つの課題を提示しました。今回は、それぞれについて、解決する方法論を、事例とともにご紹介したいと思います。

 まず、「データに振り回された顧客理解」です。昨今のデジタルマーケティングの風潮として「如何に競合よりターゲティング精度を高めるデータを取得するか」に重きが“置かれすぎている”ように思います。あくまで私見ですが、属性にまつわるデータのバリエーションを増やし広告配信のターゲティング精度を高めようにも、既に限界に近い状態にあるのではないかと考えています。また、様々なデータを掛け合わせターゲティングしようとするがあまりに、事業規模に適したターゲットとなる母数が確保できないということはよく発生する事象です。

 これからのデータ活用による顧客理解は「属性把握」を深めるのではなく、「状況把握」が必要であると考えています。「状況把握」とは、例えば今顧客は「どのような状況に置かれているか」または「どのような課題を抱えているか」など、画一的な「属性」による把握ではなく、置かれた「状況」を察知することを指します。

 その事例として、前回、損保会社およびフラワーマーケットの事例をご紹介させていただきました。損保会社の事例においては、全契約者に起こりうる困難な「状況」を察知し、短期的には収益を圧迫する解決策だとしても提示し、中長期的な顧客との関係を維持する取り組みを行っています。

 またフラワーマーケットの事例においては、例えば顧客が配偶者との記念日を忘れてしまうといった「課題」に対して、困難な「状況」に陥る前に事前に解決する手段を提供しています。このような取り組みにより、顧客自らが企業にデータを提供する事を実現しています。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
「顧客の状況を察知する、“生け簀”のような「長期ストック型アプローチ」とは?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
OMO-UX戦略 マーケティングのリ・デザイン連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

魚住 高志(ウオズミ タカシ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング