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宋の時代の詩「柳は緑、花は紅、真面目」の教え──“オジサン排除”ではない「多世代共生社会」へ

『さらば、GG資本主義』『組織にいながら、自由に働く。』出版記念セミナー:後編

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 組織に所属しながらルールにとらわれず、自分が信じる道を突き進み、これからの時代を切り拓く新たな働き方として注目される会社員の虎、すなわち「トラリーマン」。その名付け親であるレオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者の藤野英人氏が今年6月に上梓した最新刊『さらば、GG資本主義』。トラリーマン “初代モデル”こと楽天株式会社 楽天大学 学長の仲山進也氏が同時期に上梓した『組織にいながら、自由に働く。』。両氏の著書の中で、それぞれ「トラリーマン」についても触れられている。書籍発売記念として開催された2人のトークイベントでは、会場から寄せられた「トラリーマンは組織のリスクにならないか?」といった直球の質問にも納得の回答が。全2回の後編(質疑編)記事をお届けする。

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自由と他由を履き違えずに「まずは、ネコになることから始めましょう」

坂崎 絢子さん(以下、敬称略):ここからは、会場からの質問タイムに移ります。

藤野英人さん(以下、敬称略):まず1問目、ズバリ、「トラリーマンになるための最初の一歩は?」だそうです。

仲山進也さん(以下、敬称略):うーん、僕は別にトラリーマンを目指してこうなったわけじゃないですからね。「最初にこれをやればいい」というものではないのかなと。

藤野:ご紹介した動物キャラの区分でいうと、割と大事なポジションになってくるのがネコ。誰もがトラリーマンになれるわけじゃないけれど、「ネコリーマンになってみましょう」と言われたらハードルが下がると思うんですよね。生産性はトラより高くないかもしれないけれど、組織にいながらにしてのびのび生きるスタイルは目指せる。チャレンジする気概がある人はトラになり、そこまで頑張れない人はネコでいいんです。

タイトル

仲山:トラにしてもネコにしても、要になるのが「自由」の定義。僕は今回の本のタイトルに「自由」と入れるにあたって、「自由とは何か」を定義しなきゃいけないなと思ったんです。

一般的なイメージとして、自由というと「好き勝手」とか「ワガママ放題」みたいなネガティブなニュアンスが含まれて、「自由に働くって、ハワイでバカンスしてたらATMに入金されるみたいなことですか?」とか勘違いされますけど、僕の感覚では全然違っていて。

自由は「自分に由(よ)る」と書きます。つまり「自分に理由がある」のが自由。数ある選択肢の中から自分の価値基準で決めて選び取っている状態です。自由の対義語には、束縛とか統制とか強制などがありますが、僕の考える対義語は「他由」です。他人に言われたからやる、という「他人に理由がある」状態では、自由とは言えないのだと解釈しています。

藤野:要するに、源が自分にある。発信源はいつも自分であり、自分主体で行動することが自由。他人に委ねる生き方は他由なんですね。

仲山:「世の中で一流と言われているから」という理由で受験する学校や就職する会社を決めるのも他由的。一方で、他人に言われた指示であっても、自分なりに価値を見出して自発的に動けているのなら、他由から自由にうまく転換できているということ。そんなイメージです。

仲山進也仲山 進也さん(仲山考材株式会社 代表取締役、楽天株式会社 楽天大学学長)
北海道生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。シャープ株式会社を経て、1999年に社員約20名の楽天株式会社へ移籍。初代ECコンサルタントであり、楽天市場の最古参スタッフ。2000年に「楽天大学」を設立、楽天市場出店者45,000社の成長パートナーとして活動中。2004年、Jリーグ「ヴィッセル神戸」の経営に参画。2007年に楽天で唯一のフェロー風正社員(兼業自由・勤怠自由の正社員)となり、2008年には仲山考材株式会社を設立、Eコマースの実践コミュニティ「次世代ECアイデアジャングル」を主宰している。2016年にJリーグ「横浜F・マリノス」とプロ契約、コーチやジュニアユース向けの研修を実施。チームビルディングファシリテーターの長尾彰氏と共同開発した「チームビルディングプログラム」は、ネット/リアルを問わず、企業経営に劇的な進化を生み出すとの定評がある。著書に、『組織にいながら、自由に働く。 仕事の不安が「夢中」に変わる「加減乗除(+-×÷)の法則」』などがある。

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