顧客ロイヤルティ先進国アメリカに学ぶNPS活用の最先端――従業員の意識を変える2大アプローチ

第3回

 本連載では、「NPS®* (Net Promoter Score)」をどのように活用すべきかをわかりやすく紐解き、NPSが注目される理由や企業と従業員との関係の重要性、海外のNPS動向、NPSの導入方法・先進事例を解説していく。前回は、NPSの測り方、「顧客ロイヤルティ」が企業にもたらす価値、そしてロイヤルティの高い顧客を作るための好循環を見てきた。今回は、NPS活用の最先端をいくアメリカ企業で、どのようにNPSを導入し、顧客ロイヤルティを高めているかについて紹介する。
*Net Promoter Score、及びNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレデリック・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標。

[公開日]

[著] 松永 来美 玉井 由美子 山尾 理紗 佐藤 哲

[タグ] 事業開発 サブスクリプション デジタルトランスフォーメーション NPS カスタマーサクセス

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顧客ロイヤルティ分野で数年先を行く先進国、アメリカで受けた衝撃

 今から5年前の2013年、玉井は1人でNPSの生みの親であるフレデリック・F. ライクヘルド氏が当時在籍していた、サトメトリックス・システムズ社のNPSイベントに乗り込みました。

 その頃の日本には「顧客維持」に真剣に取り組む企業はさほど多くなく、「顧客ロイヤルティ」や「カスタマーエクスペリエンス」といった概念も今ほど知られていませんでした。この時私は、(いま振り返るとお恥ずかしい話ですが)「NPS」を企業やブランドのホームページなどの心理評価指標として活用している事例がないかを探しに、はるばるアメリカまで遠征したのです。

 ところがいざNPSイベントに参加してみると……全然様子が違う!! アメリカ有名企業のCEOが「シェアリングエコノミー」「サブスクリプションモデル」といったムーヴメント(アメリカでは当時すでに話題にされていました!)とともに、「顧客が企業を選ぶ時代がスタートした。選ばれる企業になるためには、NPSを共通言語として企業文化そのものを顧客中心主義に転換していくべき」と熱く語っていて、ひどくカルチャーショックをうけたのを思い出します。

※Satmetrix社主催 Net Promoter Customer Experience Conference2013イベントの様子※サトメトリックス・システムズ社主催 Net Promoter Customer Experience Conference2013イベントの様子

 顧客ロイヤルティ分野において、アメリカは他国の数年先を行く先進国です。そのアメリカでの取り組みを知ることは、わたしたちの未来予想図をより描きやすくすることにもつながります。

 今回から2回にわたり、私が今年の5月に聴講したNPS関連のカンファレンス「EXPERIENCE '18(MEDALLIA社※主催)」の内容を交えながら、顧客ロイヤルティやNPS活用についての世界最先端事情をお伝えしていきます。

※MEDALLIA社は、カスタマーエクスペリエンスマネジメントツールと称されるNPS関連のツールとコンサルティングサービスを展開する企業です。現在では、アメリカの多くのグローバル企業・有名企業がメダリア社を採用し、顧客ロイヤルティマネジメントに取り組んでいます。

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