顧客ロイヤルティ分野で数年先を行く先進国、アメリカで受けた衝撃
今から5年前の2013年、玉井は1人でNPSの生みの親であるフレデリック・F. ライクヘルド氏が当時在籍していた、サトメトリックス・システムズ社のNPSイベントに乗り込みました。
その頃の日本には「顧客維持」に真剣に取り組む企業はさほど多くなく、「顧客ロイヤルティ」や「カスタマーエクスペリエンス」といった概念も今ほど知られていませんでした。この時私は、(いま振り返るとお恥ずかしい話ですが)「NPS」を企業やブランドのホームページなどの心理評価指標として活用している事例がないかを探しに、はるばるアメリカまで遠征したのです。
ところがいざNPSイベントに参加してみると……全然様子が違う!! アメリカ有名企業のCEOが「シェアリングエコノミー」「サブスクリプションモデル」といったムーヴメント(アメリカでは当時すでに話題にされていました!)とともに、「顧客が企業を選ぶ時代がスタートした。選ばれる企業になるためには、NPSを共通言語として企業文化そのものを顧客中心主義に転換していくべき」と熱く語っていて、ひどくカルチャーショックをうけたのを思い出します。
顧客ロイヤルティ分野において、アメリカは他国の数年先を行く先進国です。そのアメリカでの取り組みを知ることは、わたしたちの未来予想図をより描きやすくすることにもつながります。
今回から2回にわたり、私が今年の5月に聴講したNPS関連のカンファレンス「EXPERIENCE '18(MEDALLIA社※主催)」の内容を交えながら、顧客ロイヤルティやNPS活用についての世界最先端事情をお伝えしていきます。
※MEDALLIA社は、カスタマーエクスペリエンスマネジメントツールと称されるNPS関連のツールとコンサルティングサービスを展開する企業です。現在では、アメリカの多くのグローバル企業・有名企業がメダリア社を採用し、顧客ロイヤルティマネジメントに取り組んでいます。