サブスクリプション型に消費モデルが移行する時代に、“神顧客”を育成する従業員の愛「eNPS」とは?

第2回

 本連載では、「NPS®* (Net Promoter Score)」をどのように活用すべきかをわかりやすく紐解き、NPSが注目される理由や企業と従業員との関係の重要性、海外のNPS動向、NPSの導入方法・先進事例を解説していく。前回は、企業視点から顧客視点にシフトする際に留意すべきポイントと、顧客との関係性を育てる際のスタンスを見てきた。 “誰かに伝えたくなる愛の熱量”であるNPSと“瞬間風速的な感情”を測るCSの違いについてご理解いただけただろう。今回は、NPSの測り方、「顧客ロイヤルティ」が企業にもたらす価値、そしてロイヤルティの高い顧客を作るための好循環について考えていく。
*Net Promoter Score、及びNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレデリック・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標。

[公開日]

[著] 松永 来美 玉井 由美子 山尾 理紗 佐藤 哲

[タグ] 事業開発 サブスクリプション デジタルトランスフォーメーション NPS カスタマーサクセス

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誰かに伝えたくなる“愛の熱量”であるNPSの「測り方」とは?

 NPSはNet Promoter Score®の略称で、顧客ロイヤルティ(顧客の企業やブランドに対する信頼や愛情・愛着)を定量的に測るための指標です。自社のブランドやサービスを利用している顧客に対し「親しい人に我々の企業やブランドを薦める可能性はどれくらいありますか?」という質問をし、他者への推奨意向を測ります。

NPSの算出方法

図版:IMJ作成図版:IMJ作成

 顧客は価格や性能に対して満足したうえでさらに「この企業と自分の関係性は良いものだ」「この企業は自分の価値観と似ている」のように、企業と自分の間に心理的なつながりを感じると、その企業に対してロイヤルティを抱くようになります。この心理的なつながりが形成され、顧客と良い関係を構築できているのかを測るのがNPSです。

CSという“瞬間風速的な感情”ばかり測っていると、継続的な愛の熱量であるNPSは測れない

図版:IMJ作成図版:IMJ作成

 こんなアンケートを見たことがありませんか? 多くのアンケートで採用されている「顧客満足度(CS)」(満足いただけましたか?)に慣れていると、このようなNPSの聞き方に違和感があるかもしれません。

 しかしこの「薦めますか?」の質問は、企業への愛着や信頼、そして人に伝えたくなるほどの企業への愛情を測るのに最も適した質問だと研究された「究極の質問」なのです。

 自分の周りの大切な人に何かを薦める時って、いろいろ考えるでしょう。この企業の物だったら薦めた相手も気持ちよく使ってくれる、「使っている」と言っても恥ずかしくないか、自分が大好きだから知ってもらいたい、そして何より自分も継続して使い続けようと思っている。「私はあまり好きではないからもう使わないけれど、とても薦める」っていう人、あまりいないですよね?

  NPSはシンプルな質問で、顧客ロイヤルティが高い人が自社に今どれくらいいるのかを把握できる、優れた指標といえるでしょう。

 ちなみに顧客満足度は商品やサービスに対して付ける品質評価です。そこにNPSで測るような企業に対する信頼や愛着、継続利用意向は含まれていないと考えられています。

 実際にあるサービスの離反者が利用中に回答した満足度アンケートでは、離反者の内の80%が「満足」と回答していたことがわかっています。つまりその時点で「満足」しているからといって、サービスを使い続けるかどうかは分からないということです。

引用:『CUSTOMER ROYALTY CERTIFICATION “Net Promoter® Associate”』SATMETRIX® THE NET PROMOTER COMPANY、 図版:IMJ作成引用:『CUSTOMER ROYALTY CERTIFICATION “Net Promoter® Associate”』SATMETRIX® THE NET PROMOTER COMPANY、 図版:IMJ作成

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