グラフィックレコーディングとは、その場で話された内容や起こっているコトを、イラストや図式を用いながらリアルタイムに可視化する記録手法。今回は「グラフィックレコーディング×アウトドア」として、渋谷キャスト前で9月4日から一般利用が始まったキャンピングオフィスにて、体験会が行われた。
集まったのは、会議の進行役を務めることが多く、社内外の関係者とのコミュニケーションも頻繁に行っている社会人20名。議事録作成や、提案、報告に時間を要し、意図しない伝わり方をすることも課題となっているそうだ。この20人が二つのテントに分かれてグラフィックレコーディングを実践した。
意図しないコミュニケーションの “ズレ”を解消し、グラフィカルに思いをストーリーとして伝える
講師を務める三澤氏は「事業を進めるにあたって抱えている課題があり、それを解決するためにグラフィックレコーディングを導入するという企業が増えています。会議の議事録やミーティングのメモにグラフィックレコーディングを使うことは、思考を共有するうえで重要ですが、絵を描く恥ずかしさなどもあり、最初は抵抗があるかもしれません。まずはリーダーシップをとるポジションの人から始めると広まりやすいですし、チームで使うときには率先して見せ合うことが大事です」と語る。
また、同じく講師を務めた名古屋氏は参加者にペンの持ち方から教えた。裏うつりしにくい特徴を持つプロッキーを配られた参加者は、線の引き方を練習し、そのあとグラフィックを使った自己紹介を始めた。
次に参加者たちは二人一組に分かれ、カードに書かれたお題をグラフィックのみで相手に伝えるというワークを行った。うまくお題を伝えることができなかった参加者に対し、三澤氏は「伝えたいポイントに色を付けたり、大きさや太さの強弱をつけることで相手に伝わりやすくなります」と解説した。
最後に、各テントで参加していた東京急行電鉄の渋谷キャスト担当者たちが出題者となり、「私とキャスト」というテーマで5分間のスピーチを行った。参加者たちはそのスピーチを聞きながら、ストーリーをグラフィックレコーディングとして描くことになる。
渋谷キャストは都営アパート跡地の再開発事業を東京急行電鉄が2012年3月に受託して建設されたもの。受託から開発、そして2017年4月の開業までに至る担当者のストーリーが語られ、参加者たちはその話をグラフィックにしていった。