Nianticが目指す2つの顧客体験──ゲームが世界を、そしてユーザーの人生を拡張する

CX DIVE 2018 セミナーレポート Vol.1

 9月4日に虎ノ門ヒルズフォーラムで、CX(顧客体験)の今とこれからを考えるイベント「CX DIVE」が開催された。
 世界中でプレイされているIngressやPokemon GOは、どのような顧客体験を作り出してきたのか。そして、Nianticはこれからどのような顧客体験を提供しようとしているのか。今回は「AR Platform × CX」として登壇したNiantic, Inc.須賀健人氏の講演の様子をお届けする。

[公開日]

[取材・構成] 梶川 元貴(Biz/Zine編集部)

[タグ] テクノロジー VR AR コンテンツ

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“Pokemon GO 前夜”、「人々を外に出すにはどうしたらいいだろう」という問いから生まれたIngressでの成功

 須賀氏はまず、ARの定義について「ARを『現実世界の絵に対して、キャラクターや文字といった情報を重ねること』だと認識している方が多いと思います。Pokemon GOで3Dキャラクターを現実世界の上に重ね合わせるといったものです。しかし、Nianticが唱えるARでは、これよりもはるかに広義に捉えています」と語った。

 ARとは、“Augmented Reality”の略で、日本語では“拡張現実”という。

 「『現実を拡張すること』とは、『現実世界に見えていない新たな情報を付加する』ということだと我々は捉えています。なので、Pokemon GO でのARは、『ポケモンと一緒に写真を撮ること』ではなく、『世界にポケモンがいること、世界にポータルがあること、それらの情報を現実に拡張すること』なのです」と須賀氏は説明した。

 Nianticは「Adventure on foot with others.(ともに歩いて冒険する)」をミッションとして掲げている。このミッションに基づいて、Ingressというゲームを制作したという。Ingressは、「人々を外に出すにはどうしたらいいだろう」という問いから生まれたそうだ。

 須賀氏は「世界中を青と緑に染めていくゲームであるIngress。これがNianticにとって初めての大きな成功体験となりました。Ingressを通じて出会い、結婚されたカップルがいました。ヘリコプターで各地のポータルを攻める方や、足が不自由でも車椅子に乗って世界中を冒険している方がいらっしゃいました。2014年に東京で開催したイベントでは30人程度しか集まらなかったのが、2016年7月のイベントには10,000人以上が集まっていました」とIngressでの成功を語った。

 Ingressの成功がPokemon GOに繫がるのだが、須賀氏はPokemon GOが生まれた経緯を以下のように語った。

僕は当時、Google社でandroidの仕事をしながら、Googleマップのエイプリルフール企画の担当もしており、2014年にはポケモンチャレンジをやろうという話になりました。株式会社ポケモンは版権に厳しいイメージがありましたが、知人を通じて石原社長に相談したところ、その企画をやってみようとなりました。

ポケモンチャレンジは非常に大きな話題を呼び、それを見たNiantic CEOのジョン・ハンケが『ポケモンチャレンジとIngressを掛け合わせると、世界はすごいことになる』考えたところが出発点となって、Pokemon GOが動き始めました。

 その後、現在はNianticでアジアのディレクターを務める川島氏からNianticのマーケティングポジションに誘われ、須賀氏も参画することになったという。

 次に、須賀氏はPokemon GOが流行した理由を語った。

Niantic, Inc. ポケモンGO グローバルマーケティングリード 須賀健人氏Niantic, Inc. ポケモンGO グローバルマーケティングリード 須賀健人氏

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