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デジタル時代の新規事業に存在する大きな障壁「未知の発見」と「未知に対する意思決定」とは?

Biz/Zine Day 2018 Autumn セミナーレポート Vol.1

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新規事業の課題を紐解く「3つの類型」と「HOW・WHAT・WHY」のアプローチ

タイトル小池 祐介氏(株式会社WHITE 取締役 イノベーションデザイン局 局長)
2010年スパイスボックス入社。メディア、クリエイティブ、テクノロジー、データ、CRMなど、幅広い領域における知見を活かし統合コミュニケーションのプロデュース、プランニング担当する。営業推進担当執行役員、兼、プランニング担当執行役員を経て、2016年10月より現職。新規事業開発、デザイン思考、サービスデザインなどのさまざまなノウハウを組み合わせ日本企業に最適なプロセスをデザインしていく。 新しい価値をつくる、そんな事業・サービスの創出を目指す。

 大企業が抱える「新規事業創出の課題」をいかに解決するか。小池氏は新規事業を3つの類型に整理して考えることで紐解けるという。類型の1つ目として、長年の課題を今とは異なる解決方法で解決する「課題解決型」、2つ目に課題を捉え直して解決する「課題再定義型」、そして3つ目が価値そのものを生み出して機会を発見して提案する「価値創造型」。そうして見渡すとそれぞれの特徴や課題が見えてくるというのだ。

タイトル

 たとえばUberは、タクシー利用における「なかなかつかまらない」「ドライバーとのコミュニケーションが取りにくい」などの不満をアプリで一掃する「課題解決型」といえるだろう。これまで解決できなかった課題を新しいテクノロジーの登場によって解決する。課題が見えているだけに機を見極めるのが肝心となり、遅れれば一気にレッドオーシャン化してしまうのが難点だ。

 2つ目の「課題再定義型」は、オイシックスの「お料理キット」が該当するという。もともと料理キットは利便性の高い商品としてあったものの、「手抜きしている」という罪悪感を生み出し、マーケットそのものが限定的だった。そこで、オイシックスでは課題を深掘りして再定義し、自分で料理をしている実感を得られるよう、「20分で手間をかけて2種類」というサービスに組み直したところ、大ヒットしたという。課題を定義し直すことで、マーケットを広げる可能性があるという例だ。

 そして3つ目、「価値創造型」を実現させたのがAirbnbだ。旅先の文化や普通の人々とふれあいたいという課題に対して空き家・空き部屋を利用した宿泊先予約サイトを実現した。その結果、ホテルや旅館の領域を超え、新規市場の拡大に成功するだけでなく、その市場を独占することも可能だという。

 この3つの類型において、事業を考える場合のポイントとなる「ソリューション(HOW)」と「体験・経験(WHAT)」、「価値(WHY)」の関係からみた、WHITEのアプローチはそれぞれ異なるという。

 「宿泊先」についての事業を考える際、課題解決型なら価値(WHY)を起点に体験・経験(WHAT)を考える。つまり、「ゆっくりと休みたいから寝心地の良いベッドが必要」と発想する。

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 課題再定義型なら、ソリューション(HOW)から価値(WHY)を考える。「宿泊やホテルは他にどんな価値が提供できるだろう」と考えるわけだ。

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 しかし、価値創造型のAirbnbの場合、宿泊ではなく旅そのものの価値(WHY)を深掘りして考えることで、民泊というソリューション(HOW)とそれがもたらす体験・経験(WHAT)へと展開させた。旅の価値から発想し、宿泊のWHATやHOWへと結び付けたというわけだ。

タイトル

 いつまでも「宿泊先」というソリューションにこだわっていたとしたら、その発想は出てこなかっただろう。

※課題解決型・課題再定義型・価値創造型とそれぞれのサービスについての詳細:小池氏のBiz/Zineへの寄稿第1回『DMM AUTOやズボラ旅に学ぶ、新規事業開発の“デジタル・ゲームチェンジ”──鍵となる「3つの型」

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既存企業の新規事業を難しくする「未知の発見」と「未知に対する意思決定」という大きな障壁

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