デジタルサービス企業だからこそ、フェイス・トゥ・フェイスでのコミュニケーションにこだわりたい
――御社では、デジタル一辺倒ではなく、アナログとの共存も意識されていると思うのですが?
佐々木:弊社には、6つのコアバリューがあります。それが、「Empathy (共感)」「Craftsmanship (匠の精神)」「Courtesy (思いやり)」「Playfulness (遊び心)」「Thriving (向上心)」「Solidarity (チームワーク)」です。これは対外的にも社内的にも製品やサービスに込めていくべきものです。これらは、デジタル、アナログで分けられるものではなく、極めて精神的なものです。これを実現するために、アナログな手法が適していればアナログでいきますし、デジタルが向いていればデジタルで進めます。実際には、双方の融合になりますね。
もう一つ、デジタルサービスを提供している企業だからこそ、フェイス・トゥ・フェイスでのコミュニケーションにもこだわっています。当社では世界中のオフィスで机の大きさが規格化されています。社員一人ひとりに必ず席が用意されています。「Work hard and go home (しっかり働き、家に帰ろう)」という言葉が社内にありますが、これは「なるべく会社で仕事をしよう」という意味でもあります。リモートで働くことも可能ですが、だからこそ、顔を合わせようということです。
――最後に、今後の展開についてお聞かせください。
佐々木:3つ、ポイントがあります。まず、若い世代が当たり前のようにSlackを使い続けてくれる環境を提供していきたいということです。次に、ビジネスユーサーにとどまらず、開発者・研究者や学生、いま残念ながら働けていない女性、ボランティアなどを通じて社会に貢献したいと考えている人など、立場や考え方、できること、環境にかかわらず、Slackを介して社会貢献できる、そんな仕組みを作っていきたいと思っています。
3つ目ですが、当社が、デジタルとアナログを融合させて、成長していく企業のモデルカンパニーになりたいと考えています。Slackというツールを提供している会社というだけではなく、Slack Japanという会社のようになりたいと思っていただける、他の会社のあり方にも影響を与えることができる、そんな会社になりたいですね。そのためにも、自社の変革も進めていかなければならないと思っています。