一橋大学大学院アメージャン先生が社外取締役として感じた、日本の大企業における「Who Are We」の欠落とは?

ゲスト:一橋大学大学院経営管理研究科教授 クリスティーナ・アメージャン氏【前編】

 連載『「スケール・ディーパー」とは何か』では、運用会社でアナリストとして働く栗岡大介氏が、日本各地でスケール・ディープする人々「スケール・ディーパー」と対話し、日本のこれからの可能性を探っていきます。
 今回お迎えしたのは、一橋大学大学院経営管理研究科教授のクリスティーナ・アメージャン氏。大学で教鞭を取る傍ら、日本取引所グループ、三菱重工業、住友電気工業など大企業の社外取締役も務め、コーポレート・ガバナンスの現場に精通しています。アメージャン先生は専門である組織社会学の観点から「スケール・ディーパー」の存在をどう捉えているのでしょうか。内容を前後編に分けてご紹介します。

[公開日]

[語り手] クリスティーナ・アメージャン 栗岡 大介 [写] 長谷川 梓 [取材・構成] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] 事業開発 企業戦略 スケール・ディープ 社外取締役 connecting the dots 組織社会学

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

スケール・ディーパーでもある組織社会学の専門家

栗岡大介さん(以下、敬称略):もともとの出会いは、私がいま通っている社会人大学院(東京理科大学MOT)のゼミに、ゲスト講師としてアメージャン先生がいらしてくださったのが最初でした。あのとき一風変わった質問ばっかりしたと思います、私。

クリスティーナ・アメージャンさん(以下、敬称略):そうそう、とにかく長かった。3時間くらいみんなの質問が止まらなくて、そのあと飲みにも行ってね。(ゼミの)若林先生がユニークな人だから(笑)、クラスのみんなも“変”で面白かったです。それで今度は逆に栗岡さんに私の授業に来てもらって、「スケール・ディーパー」について話をしてもらいました。すごく、よかったですね。

栗岡:あありがとうございます、私も勉強になりました。今日は、アメージャン先生のご専門である組織社会学の視点からスケール・ディーパーがこれからどのように活躍していくべきか、深堀りしていきたいと思っています。

それでまず、スケール・ディーパーについてあらためて説明すると、私の仮説では彼らは4つの特徴があると思っていまして……。


【スケール・ディーパー 4つの特徴】

  1. 反脆弱性
  2. 「見立て」と「仕立て」の力
  3. 4つのP
  4. 愛おしむ力

アメージャン:はい、どうぞ。

クリスティーナ・アメージャンクリスティーナ・アメージャンさん(一橋大学大学院経営管理研究科教授)
1959年スウェーデン生まれ(国籍は米国)。81年ハーバード大学卒業、87年スタンフォード大学ビジネススクール経営学修士課程修了、95年カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス博士課程修了。95年コロンビア大学ビジネススクール助教授を経て、2001年一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授、2004年同教授、2010年同研究科長、2012年より現職。ベイン・アンド・カンパニーと三菱電機において民間企業の勤務経験を持つ。 現在、三菱重工業株式会社、株式会社日本取引所グループ、住友電気工業株式会社の社外取締役を務める傍ら、数多くの日本企業や多国籍企業に対する研修やコンサルティングも行う。専門研究テーマは、コーポレート・ガバナンスや、東アジアおよび欧州、米国の資本主義の比較制度、日本企業の様相変化など。日本在住20年。母国語である英語と同様、日本語、中国語を話す。

バックナンバー