ものづくり企業LIXILが10年後を見据えて取り組む、イノベーションを起こし続ける組織づくりとは

ゲスト:株式会社LIXIL テクノロジーリサーチ本部 研究戦略部【前編】

 スタートアップ企業にとっては、事業そのものがイノベーティブであることが必然だといえる。しかし、歴史と実績がある企業では、イノベーティブであることにエネルギーが必要となる。いままで成長してきたモデル、製品、サービスとは異なるものを生み出し続けることは、大企業では容易ではないのだ。
 今回は、LIXIL テクノロジーリサーチ本部 研究戦略部に属し、LIXILのイノベーションを探索する3名とその取り組みをサポートするイノベーション・ラボラトリ (以下、i.lab)の2名に話を伺った。前編では、なぜ住宅産業のトップランナーであるLIXILが、研究開発部門がリードしてイノベーションの取り組みを進めることになったのか。住宅産業大手ならではの課題、必要となるイノベーションプロセスの特徴などを話し合った。

[公開日]

[語り手] 本村 雅洋 桝 泰将 石田 進 横田 幸信 村越 淳 [聞] 栗原 茂(Biz/Zine編集部) [取材・構成] 里田 実彦 [写] 和久田 知博

[タグ] 事業開発 企業戦略 新規事業開発 研究開発 イノベーション

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イノベーションを起こし続ける組織づくりは「経営イシュー」

──LIXILとのプロジェクト詳細をお聞きする前に、大企業のイノベーション支援を数多く手がけられているi.labとして感じる、最近の新規事業開発の特徴、変化を教えてください。

横田幸信氏(i.lab マネージングディレター、以下、敬称略):当社は設立8期目になるのですが、これまで世の中にない革新的な製品、サービスを生み出すサポートを行ってきました。設立から最初の数年は、「新規事業をやりたいので、製品やサービスのアイデアを一緒に考えてほしい」という、アイデア創造に関するご依頼が多かったです。

 ところがこの3~4年では、具体的な事業や製品のアイデアを考えるというご依頼よりも、新たな事業ビジョンを構想するサポートが多くなっています。具体的には、「社会情勢を踏まえた、成長性の高い事業領域を探していく」ことを一緒に考えてほしいなど、時間軸も長く、抽象度の高いご依頼が増えています。まさにLIXILさんへのサポートも、会社としてのビジョンづくりのようなご支援になっています。

タイトルイノベーション・ラボラトリ株式会社(i.lab) マネージングディレター 横田 幸信氏

村越淳氏(i.lab シニアマネージャー/ プロダクトデザイナー、以下、敬称略):特にこの1~2年で多いと感じるのは、「イノベーションを起こし続ける仕組みづくり、組織づくりを手伝ってほしい」というご依頼です。これからの組織づくりはどうあるべきか、新規プロジェクトに集める人材はどの領域のどんな職位、経歴を持つ人を集めるべきか。集めた人材を誰がどのようにマネジメントしていくのか、など。これらが特に変化を感じるポイントです。

タイトルイノベーション・ラボラトリ株式会社(i.lab) シニアマネージャー/ プロダクトデザイナー 村越 淳氏

横田:LIXILさんもそうですが、一定規模以上の企業になると、1つや2つの新製品や新サービス、新規事業で会社は変わらないんです。だからこそ、イノベーションを起こし続ける「組織」「仕組み」づくりに価値がある。最近ではそれが、ボトムアップで元気な若手や中間管理職層の論点ではなく、経営層レベルが検討すべき「経営イシュー」になっていると感じています。

──なるほど、いまLIXILで取り組んでいることも、まさにそういったサポートなのですね。

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