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NTTドコモの新事業と「べてるの家」に共通する支援者の態度──対症療法をやめ苦労を取り戻す意味とは?

ゲスト:株式会社NTTドコモ イノベーション統括部 笹原 優子氏、金川 暢宏氏、埼玉大学経済経営系大学院 宇田川 元一氏

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 著書『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論』で、組織におけるナラティヴ(双方にある、語りの文脈)の溝が何かを説き、組織での対話を促進する考え方を研究する宇田川 元一氏と、NTTドコモで新規事業創出を目的としたプログラム39works®、LAUNCH CHALLENGE(ローンチチャレンジ)を運営する笹原 優子氏、金川 暢宏氏が議論した。新規事業の人材育成的側面を論じた前編に続き、後編では経営陣の反応や社内への影響を紹介する。

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経営陣が新規事業開発に前向きになる工夫

宇田川 元一氏(埼玉大学経済経営系大学院 准教授、以降敬称等略):新規事業開発の当事者にも、支援者にも当然大変さはあると思うのですが、経営陣が賛同していないと事業開発って進まないし継続できないですよね。

 1つ私自身の研究と関連のある話をしますね。クレイトン・クリステンセン教授の『イノベーションのジレンマ』が元にしている、ロバート・A・バーゲルマン教授の研究です。1980年代まではDRAMメーカーであったインテルは、競争の激化で経営状態が悪化した時期が当時ありました。その際、現場は予算をかき集めて密かにCPUの開発を進めていたんです。それを当時の経営者であるアンディ・グローブが知って、CPUメーカーへの変貌に舵を切ったんですよ。開発を進めていた現場もすごかったですが、大きな方向転換を決断したアンディ・グローブもすごかったんですよね。資源配分を受けられないと事業としては立ち上げられないですから。

 ドコモの経営陣は、新規事業開発の取り組みを、どのように見ているのでしょうか。新規事業の取り組みは、1年目は頑張れ頑張れと旗を振り、2年目はうーん、まあいいかと継続し、3年目にいつ利益が出るのかと言われ、3年過ぎたあたりで終わってしまうことが多いと思います。しかしドコモの場合は、今年で39worksを始めて6年ですよね。

笹原 優子氏(株式会社NTTドコモ イノベーション統括部 グロース・デザイン担当 担当部長、以降敬称等略):ドコモの場合、利益を生み出すことを成功だと捉えられると、事業規模として3桁億、4桁億を生み出す必要があります。そんな金額が新規事業から即座に出てくることはありえません。どちらかと言えばそういった利益重視の開発はdマガジン等、dがつくサービスを担当する事業開発チームが担当しています。経営陣は新規事業にそういった利益を期待していないはずです。

 短期で利益還元できないので、私たち事務局は「こういうプロセスでやってみたら、こういうことが起こった」とレポートすることなどを行っています。経営陣には、何件新規案件が始まって終了したのはどれか、PoCの結果はどうだったかとレポートしたり、今までの期間をさらに短縮する挑戦をすると伝えたりしています。

 それから、経営陣は単純に、活気のある会社を見るのが楽しいと思ってくれているのだろうなとも思いますね。だからこそ、経営陣に新規事業のプロセスに参加してもらうような工夫もしているんです。

笹原 優子笹原 優子氏(株式会社 NTT ドコモ イノベーション統括部 グロース・デザイン担当 担当部長)

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