矢野経済研究所は、2018年の電子契約サービス国内市場規模(事業者売上高ベース)は、前年比139.3%の39億円と推計した。電子契約サービスが今後しばらくは国内のリーガルテック市場を牽引していくとみている。これまで電子契約サービスは、印紙代や郵送費など目に見えるコストの削減を理由に導入が進んできた。しかし、最近は、契約締結スピードの向上や契約手続に関する工数(契約書作成、郵送に要する時間など)の削減を理由にした導入が増加基調にある。人手不足やワークスタイル変革など、企業はこれまで以上に生産性の向上を求められており、今後もこうした目に見えにくいコストの削減を目的とした導入が加速していくとしている。
また、リーガルテック国内市場規模(事業者売上高ベース)は、2016年から2023年までのCAGR(年平均成長率)が9.8%で成長し、2023年には353億円に拡大すると予測している。
宅地建物取引業法で書面による交付を義務付けられていた「重要事項説明書」の電磁的方法による交付を認める社会実験が始まる例にみられるように、デジタル化に向けた法改正が様々な分野で進んでいることから、電子契約サービスをはじめ、今後更にリーガルテックが進展しやすい環境が整っていくものとみている。
メールやチャット、Officeドキュメントなどのテキストデータをはじめ、IoTの進展などにより、今後、企業が取扱うデータ量が爆発的に増大することが想定される。そんななか、証拠・不正調査の分野では、これらのデータから探し求めるデータを効率的に抽出・活用するためのテクノロジーに対する必要性は拡大していくとしている。こうしたなか、リーガルテックに対する需要もそれぞれの分野においてますます拡大していくと予測する。