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マミートラックから抜けたくて事業を起案 JR東日本の小西さんとPeerCrossが迎えた幸福な出口

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 企業の中で新規事業の開発・グロースを担う女性リーダーにスポットを当てる本連載。ホストを務めるのは、サイバーエージェントやcybozu.netなどで数々の事業を立ち上げてきた椿奈緒子さんです。「新規事業はキャリアアップの近道」と語る椿さんが、ゲストのキャリアや事業開発プロセスを深掘り。まだまだ多いとは言えないイントラプレーヌ(女性イントラプレナーの意)のロールモデルを紹介します。第五回のゲストは、東日本旅客鉄道の小西 好美さんです。※肩書は取材時のもの

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車掌、運転士を経て直面したマミートラック

椿:小西さんが社内起業に至るまでの歩みから教えていただけますか?

メンタリング 代表取締役 椿 奈緒子さん
メンタリング 代表取締役 椿 奈緒子さん

小西:私は2009年に新卒でJR東日本に入社しました。最初の4〜5年は駅員や車掌、運転士など現場の業務に携わり、タフでありながらも充実した日々を送っていました。

東日本旅客鉄道 PeerCross担当 小西 好美さん
東日本旅客鉄道 PeerCross担当 小西 好美さん
※7月1日よりJR東日本パーソネルサービスに出向

小西:運転士時代、同僚が不規則な泊まり勤務と子育ての両立に苦労する姿を間近で見ていました。「女性がこの会社でキャリアを積むにはどうすれば良いのだろう」と考え始めたのはこの頃です。

椿:その頃の課題意識がキャリアにつながっていくわけですね。

小西:そうなんです。希望が叶って人事に異動し、採用とダイバーシティ推進に関わる仕事を経験しました。Suica事業企画の部署に移ったタイミングで第一子を出産したのですが、1年弱の産休・育休を経て復職した際、私自身がマミートラック(※)の壁に直面してしまったのです。

※出産後に復職した女性が、本人の意思に関わらず、周囲の過度な配慮や時短勤務などを理由に補助的な業務へ回され、キャリアが停滞してしまう現象

椿:制度が整っている大企業ほど、本人の意欲とは裏腹に、良かれと思った周囲の配慮がマミートラックを生んでしまうことがありますよね。当時はどのような状況だったのでしょうか。

小西:夫と話し合い、キャリアもライフも諦めたくなかった私はフルタイムで復職したのですが、子供の突発的な体調不良や時間の制約で、思うようにパフォーマンスが出せなかったんです。当時の上司は私の置かれた状況に理解を示してくれましたが、時間の制約がない同世代の同僚がチャレンジングな仕事にアサインされる一方で、自分には成長の機会が与えられない。ネガティブなループに陥り「もうキャリアを諦めるしかないのか」とずっと悩んでいました。

やるせなさもエントリーの動機に

椿:そんな状況から、なぜ新規事業の社内公募に手を挙げようと思ったのですか?

小西:マミートラックの悩みを打ち明けられる仲間が欲しかったからです。当時の社内にもワーキングママ(以下、ワーママ)の先輩はいましたが「タフな先輩方には私の悩みを理解してもらえないのでは」と勝手に感じてしまい、孤独を深めていました。

 「同じような境遇に身を置く社外のワーママとつながれたら、どれほど前向きになれるだろう」そう思ったことが「PeerCross(ピアクロス)」のアイデアの原点です。起案した当初は、会社に対して「こんなに悩んでいる社員がいるんだぞ」という悔しさ・やるせなさも感じていました(笑)。

椿:そこから事業化に至るまでのタイムラインを教えてください。

小西:2019年に、JR東日本グループの全社員を対象とした新事業創造プログラム「ON1000(オンセン)」が立ち上がり、そこにエントリーしたのが始まりです。書類審査や社長・役員以下が並ぶプレゼン審査を経て、600件弱のエントリーの中から3件が事業化検証フェーズへと進みました。

椿:600件から3件とは、かなりの倍率ですね! 通過後はすぐに事業化できたんですか?

小西:いえ、そこからが正念場でした。

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事業化決定から産育休を経て3年越しにローンチ

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この記事の著者

渡辺 佳奈(Biz/Zine編集部)(ワタナベ カナ)

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